フライ

blank13のフライのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
3.4
妻と息子2人を残し13年前に失踪した父の人柄を、葬儀の挨拶で見ず知らずの人達から教えられるシュールなストーリーだが、クセのあるキャスト達によりとても見応えのある作品だった。
斎藤工監督作品と言うのも興味深かったが、それ以上にどうなったらこのキャストに決まったの?と思いたくなるメンバーはとても楽しませてくれた。
借金を残し突然失踪した父親の死を通して見せる不思議な優しさと笑いは、序盤、母子の悲惨な生活の回想シーンを見せられているのもあり憤りを覚えたが、葬儀に集まった数人の参列者から、父親の善行を聞かされるシュールな展開はとても素敵に感じた。
人間味を感じる作品だったが、ラストシーンとエンドロールでの音楽に全て持って行かれた感じがした。自分には倫理観の無い優しい父親の精一杯の愛と懺悔を感じた作品に思えた。
フライ

フライ