リタ

blank13のリタのネタバレレビュー・内容・結末

blank13(2017年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画を好きな人には読んで欲しくないが…


借金を残し蒸発した父親が死んだ
→涙あり笑いありのお葬式
→知らなかった父親の人柄に触れる
→遺族は父親を受け入れる

ってプロットは素敵かなと思うんだけど
中盤が寒すぎて成功していない。
感動するまでに持っていけてない。


笑いのセンスが絶望的にないんじゃないかと思う。

せっかく芸人とか有名な脇役俳優とか
沢山使ってるのになんでこうなるんだろう。


同姓の地元の名士らしきひとが隣で葬式してたために
参列し間違われる孤独な故人のことを、

初っ端から笑いにもってこうとするあたり、
ちょっと感性がアレなんじゃないかと思う。

初対面で死人を笑いものにしてたら
その人とは友達になりたくない。

序盤でもうシャットアウト気味。



葬式中のトークを回してるのが福田組常連俳優ですが
司会に向いていないのでは………

この人は1人で喋り続けているのが良い!
扱い難い人と絡ませると変な空気流れる。


その他参列者たちのエピソードもぜんぶ、
即興コントで滑り続けているような地獄。

ラバーガールの
「数珠使えるの待ってたんで良かったです」は許した。



借金取りのふたりは13年経っても
似たような格好だったが
まだ同じクラスの役職なのかっておかしく思った。

ヤクザならスクスク立派になっていそうなもんだが
弱小の組はそうでも無いんかね。
でもサラリーマンでももっと生活変わると思うわ。

ところでさらばの森田さん上手いね!



お兄ちゃんはエリート志向のくせに清潔感がないね。
デザイナーか?

「お父さんみたいになりたくない」と言うなんて
反動でお堅い職に就くのかと思いきや
チャラそうな体育会系業種に就くのが不思議だった。
トレンディドラマでセレブに憧れた
おじさん世代なのか。考えが浮ついてんな。



そもそもこの映画、いつの時代の設定なのだろうか。
回想が昭和後期感満載。
鏡台に向かう母親を見て愛を乞うひとを思い出した。

あんな古い建物の病院よく見つけたな。
葬儀場も今どきあんな辛気臭いとこ見ないよ。
恣意的だな。
万引き家族の世界観目指してんのかな?

火葬した炎がアップになるのは綺麗だったが
湯を沸かすほどの熱い愛を思い出した。

なにかにつけ既視感のある映像群。



一番嫌なのはお葬式のやり取りが杜撰なこと。

あんな遺族が空気なことある?
誰1人遺族に挨拶しないなんて有り得ないよ。

お坊さんも、
事前準備もない人達に皆の前で何か話せ、
って促してたがなにそれ。聞いたことない。
そういう風習を持つ地域があるのか?

でも少なくとも現代日本に泣き女は居ない筈……

この映画作った人達は日本のお葬式出たことある?




この前ポン・ジュノ監督にインタビューしてた斎藤工は

通な雰囲気は醸してるくせに
中味すっからかんの事しか言わないし、
ポン・ジュノ監督からの質問に対する返しも
見当違いのことをダラダラ言っててつまらんしで
ちょっと嫌いになったんだが、

この映画ってその時の斎藤工の印象、
まんまだと思った。

(逆に、
同じ頃ポン・ジュノと試写会に出席してた吉沢亮は
平易な言葉で的確な映画の感想を述べるわ
無難に笑いとるわで意外に大人びてた。
興味なかったけど好感もった。)




リリーフランキーのこういう役もうお腹いっぱいだ。
高橋一生はやりすぎなほど顔が死んでるし
効果音デカすぎて台詞聞こえないし
回想シーン同じの何度もカットインしてきて
さっき見たとこなんだけどしつこいなって思うし
理想の球場って作文、ホラー気味にオーバーラップして聞き取れず結局作文の内容が分かんなくてなぜ出てきたこのエピソード?って感じだし
コメディ部分笑えないし

興醒め。うんざりした。

70分と短いところはよかった。もっと長く感じたけど。

あと子役の顔が美しくて将来に期待。
リタ

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