シネクスー面白映画発掘人

ゲット・アウトのシネクスー面白映画発掘人のネタバレレビュー・内容・結末

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます


#この体験を話さずにはいられない

=================
タイトルは「出ていけ」の意味だが、
コレがストーリーの何を示しているかがカギ。
元ネタは招かれざる客。

低予算映画ながら評判がかなり良く、
その年一番儲けた映画などと言われた作品。

#ブラムハウス 制作の映画でもある。
=================

-

2年ぶりくらいの観賞。
2年経っても演出やキャラの怖さ・不気味さのイメージが
こびりついている作品。

いい意味で裏切りの連続が続くことで大きく引き込まれた初見に比べ、
色々なシーンで小ネタや風刺が推定できた気がする。
昨年からブラムハウス ばっかみてるけど、
ハマったのは本作がキッカケだったかも。
(因みに良い表情繰り出す主演の#ダニエルカルーヤ は私と同世代!)

#アカデミー賞 で脚本賞を受賞した#ジョーダンピール は
元々漫才コンビの片割れで
(2人で#トイストーリー4 の射的のキャラの声出したりも)
自主差別ネタが十八番。
その皮肉漫才の延長にこの映画がある
というのも相まってアメリカで人気がでたとか。
オバマからトランプに変わった時期での公開ということもあり
リバウンドみたいな反響があったのも要因の1つなのかな。

ストーリーはいわゆる黒人に対する偏見たっぷりの展開で、
昨今の人種問題に触れた映画が色々なところでノミネート・高評価
といった流れはかなりよく見かけるようになったが、
中でも本作は小難しい差別非難映画でなければ、
軽率すぎる感じでもなく、とっつきやすい。
自分もそうですけど、日本人て人種差別の現状とか実感しづらい
環境にいるから、わかりやすく冒頭や家族構成で
この辺りを示唆してくれるのは非常に入っていきやすい。

-

-

(※以下若干ネタバレあり)

-

-


色々な映画の小ネタも多く、
#シャイニング や#アイズワイドシャット
といった#キューブリック ファンが食いつきそうなセリフも。

またカメラのフラッシュが、
黒人における白人警官とのやり取りでのエビデンスとなっている
ことを連想させるシーンや
綿を耳栓代わりにピンチを切り抜ける
ところも、黒人奴隷時代の綿花積みを連想させる。
終盤カラフルなシリアルとは別に、
白い牛乳とそれに刺さる黒いストローが決して白と黒が交わらない
様子を示しているのも面白い。

その他#ゲットアウトチャレンジ と銘打って
カメラに全力疾走していく投稿動画も流行ったとか
(おじいちゃんのあのシーンです!)

特に個人的な見どころとしては運輸保安庁の友人のやり取り。
タバコを辞めたことで催眠術を信じる下りとか、
下ネタガッツリながらしっかり話を進行させる歯車になっていたりとか。

最後の「だから嫁の家なんて良くなっていったろ」
みたいなセリフも冒頭伏線からの流れで落語的な秀逸さを感じた、
さすがお笑いのプロが書いた本なだけあるw

前回DVDで観た際にもう1つの結末も観たけど、
個人的には両方ありながらこちらの結末の方がスッキリしてて好きかも。

発掘するにあたり、新しい映画をガンガン発掘するのも楽しいけど、
過去に観た作品を再見して、広さより深さを掘っていくのも
素晴らしい映画発掘の魅力ですよね。
映画の良いところって、話の密度が濃い分、何度観ても発見がある
ってところな気がします!
特にホラーやサスペンスは人の恐怖とかを描く分、
社会の影響とか情勢を受けやすい
ってのも魅力が増す1つの要因なのかも。

-

個人的には大好きな作品の1つなので、
話がしっかり作られた映画が観たい人、
どんでん返し系が好きな人、もう一度観てみようかなと思った方、
是非オススメの映画だと思います!!