このレビューはネタバレを含みます
恐ろしい映画だった
序盤のスローな展開の中に織り交ぜる違和感の数々から中盤以降の種明かし、終盤の緊迫感まで本当に怖かった…
途中の描写で弟君、初対面では嫌なヤツだったけど実はいいヤツなの？って思ったけど本当にどこまでもそんなことなかったな…
カメラワークは割と安直で、あー次脅かし来るよ、ってのはすごいわかり易かった
濃い映画だったなあ
あとこの映画で好きなのは違う人種しかいないところでのあの気まずさの描き方ね…
本編とはあんま関係ないけど、「白人と黒人」の話にアジア人出てるとやっぱりアジア人として過度に注目しちゃうな
典型的なアメリカの映画で白人と黒人の物語を作るときのアジア人の立ち位置って一番見てて気持ちよくないよね
ほとんどの場合差別する側に回ってるけど、描かれ方は差別されてる側だから見てる側からしても一番嫌なヤツに映るし記憶に残るんだよね
この映画も正直10年後思い出したとき、細部よりもMr. TANAKAのことを忘れないと思うわ
あと「白人と黒人」の映画に本当によくありがちなのが、酷く差別的な白人とそれに対抗する黒人＋白人って構造で、絶対に正しい側に白人がいること。白人が全員悪者に書かれることって意外と少なくてだからこそ見終わったあとに「白人が…」じゃなくて「あのキャラクターが…」になるんだけど（アジア人の場合はそもそも出てくることが少ないからそのままアジア人は…になるのが辛いけど）。
だから今回もそのパターンだろ…って、ローズは「正しい側」なんだろって思ったところを見事に裏切ってきたのが一番のアンチテーゼだったな。
