ダイナ

ゲット・アウトのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

面白かった。

主人公は他者への気配りができ、好印象な黒人男性といった感じ。
そのため、彼女の実家に到着してから、主人公が彼女の家族や使用人、他の招待客に差別的な態度をとられることにイライラしてしまった。
しかし、後半はそのストレスを解放するかの如くやり返すので見てて気持ちが良かった。特にビリヤードのボール?と鹿の角がヒットした時は「ようやった!」と思わずにはいられなかった。また、ラストのフラッシュがキマッて使用人(男)が自我を取り戻しての発砲、友達の空港警備員が助けに来てくれた所は救いがあって嬉しい。(パーティーの招待客の規模からしてその後主人公が口封じで狙われにこないかとか心配ではあるが)

伏線について、
正直な話、主人公と使用人(女)の会話での女の突然の涙、ジャズ奏者のカメラフラッシュからの豹変は「洗脳(彼女の母親の催眠術)」を予想できてしまったのは否めない。特にジャズ奏者の「出ていけ!」に関しては、主人公に敵意をむき出しているというよりは「ここは危ないから立ち去れ!」って意味なんじゃないかな~と視聴時に解釈した。(自我を取り戻したときに周りの白人に悪態をつかなかったのは、洗脳されていることをその場でバラしたら主人公にすぐに危害をおよばせてしまうと考えたからかな?)
洗脳説に関しては彼女の母親の催眠術辺りから匂ってはいたので製作側も驚かしてやろうって感じで張っていた伏線では無さそう。

途中までは彼女と盲目の芸術家だけは裏の事情を知らない良い人なのかなと淡い期待を抱いたがそんなことはなく残念。しかし主人公が、彼女と黒人たちが写ってる写真を見つけたときは良い意味でも悪い意味でも衝撃だった。「お前やっぱりそっち側だったのかよ!」って気持ちと「あー胸糞悪いけど盛り上がってきたなあ!」って気持ちが半々だった。いやしかし彼女は正体バレてからスッゴい見た目も中身も黒くなりましたね。なんですかあの牛乳を分けて飲む仕草は。洗脳候補の品定め姿にしっくり来すぎてます。

友達の空港警備員について、
主人公に有能な友人や仲間がいる映画は大抵好きになる。(本当に有能ならそもそも彼女の実家には行かせないとかは言わないで)
「実家訪問の前に黒人のこと告げておくべきだろ?」とか、「セックス奴隷にされてるぞ!」とか(これは違うけど自由がきかないという意味では合ってる)、流石安全を仕切ってる仕事だけあってリスクの想定がデキる男である。またそれに伴う行動力で助けに来てくれたのもナイスガイだった。大抵だったら警察(?かどうか忘れた)に相談して笑われたところで「まー考えすぎか」って杞憂で終わらせてしまう所を諦めずに来てくれた彼に拍手を送りたい。

タイトルの「ゲット・アウト」について、
訳すると「出ていけ」って意味(だよね?
これは
①洗脳された側による乗っ取り者への「ゲット・アウト」
②乗っ取る側による体の主に対しての「ゲット・アウト」
のダブルミーニングなのかなーと解釈。
それでジャズ奏者の「ゲット・アウト」発言は主人公に「ここは危ないから逃げろ!」の意味だと解釈。自我を取り戻しての発言なので。

個人的にこの映画で一番怖かったのは走って向かってくる使用人(男)の所。あそこ怖すぎですよ。主人公が逃げださず棒立ちなのに違和感なぐらいビビった。
序盤の鹿ハネもビビったけどああいう突然ビックリ系はあんまり好きじゃない。

ホラージャンルにしては、グロに頼ってなく(脳みそとかあったけど)、じわじわとした嫌な感じで責めてきての伏線回収かつ理不尽な仕打ちに対しての逆襲って展開でとても楽しめた。
ダイナ

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