クマヒロ

ゲット・アウトのクマヒロのレビュー・感想・評価

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
4.7
2022/10/8 3回目
ストレートな差別表現だけでなく、いわゆるマイクロアグレッションをここまで脚本に盛り込み、その時のイヤーな空気感をよく描いているなと思います。

2022/9/15 2回目
『NOPE』を観た後の鑑賞。ワンシチュエーションで100分、観やすい作りも素晴らしく、改めてよく出来てます。
「GET OUT」のタイトルバックが作品全体に絡んでくる仕掛け、差別表現のオンパレードからくる教科書的な社会批評性、それられを含めた観客を巻き込むエンタメ性。一貫したものを感じつつ、『NOPE』に比べると若干の垢抜けなさも感じさせ『NOPE』でさらにネクストステージにいったのだと感じさせられました。





2019/9/17 1回目
人種差別問題がこんなにも面白く、恐ろしいホラーの題材になるとは。
人種差別をしているつもりがない自分でもしたり、されたりしているかもしれないと思う作品だった。

まずストーリーがシンプルに面白い!
ローズの家族の黒人に優しくしているようでそれがむしろ差別的発言に聞こえるようなセリフ。黒人の召使いの不可解な行動。
端々から不気味な雰囲気を感じつつ、ラストまで目が離せない展開の目白押しだった。
どんでん返し的な展開もあって、ひねりが効いてて、最高の脚本!

演技や、配役にも感動した。特に主役、ヒロインの2人の表情、挙動のリアリティは圧巻。

見終わってみると冒頭に出てくるゲットアウトはただの題名ではなく、主人公に向けられたメッセージだと思うと鳥肌が立つ。
最初から最後まで常にゲットアウトが叫ばれ続けていたことがのちにわかるのもゾッとする。
途中の黒人男性のゲットアウトも心からの叫びなのだとわかる。

他にも細かいところで、冒頭パトカーに止められるシーンや、召使いの2人の行動等、今思えば伏線だったのかと思わされる部分が多数あった。

調べてみるとシカや綿にも差別的意味があるらしいことや、途中に出てきたアジア人は空手家であることなどとても細かい部分まで気にして作られたことがわかって、テンションが上がった。

個人的に刺さったのは差別問題について、ウサインボルトは黒人だから足速いよねとか、言ってしまうけどそれは尊敬でもなんでもなく、個人の尊厳を否定する差別的発言なんだということがわかった。
監督自身もそう言った経験からラストは白人をメタメタにしたのかなあと。

デリケートな問題なだけに相当踏み込んで、監督からのメッセージが伝わってくるような作品だった。

100本目のレビューだった(笑)
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