ヒカル

イントゥ・ザ・インフェルノ -マグマの世界-のヒカルのレビュー・感想・評価

4.5
ヘルツォーク先生の待望の新作ドキュメンタリーである。まあ『Into the abyss』とか色々あったけど、日本じゃさっぱり公開されないのでね。
しかしながら、ヘルツォークのドキュメンタリー映画は、特に自然を扱った作品はどれも滅法面白い。ヘルツォークの馬鹿でかい誇大妄想とタイマン張れるのなんて、大自然とか宇宙そのものぐらいしかないからだ。
今回は火山が題材のドキュメンタリーなのだが、なんとヘルツォーク先生、活火山を映像に収めるために北朝鮮に乗り込むのだ。正直この北朝鮮の場面が一番面白い。
そしてヘルツォークは北朝鮮の将軍信仰と活動するマグマに連続性を見つける。凡人では何の関連性も感じないものに意味を見いだし、それまでの世界の見え方を一変させてしまう。それこそ誇大妄想家の成せる業であり、優れたドキュメンタリー作家の素質でもある。
いやあ、しかし。ここまで一貫してブレずにクレイジーで現役バリバリなジジイもそうはいないね。僕もゆくゆくは、こういうアグレッシブに狂ったジジイになりたいものです。
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