故郷の因習のために一時凌ぎの婚約者を作ることになった娘（竹村祐佳）が、電車で痴漢を働いていたマヌケな男（久保新二）を誘惑する。滝田洋二郎監督が十八番にしていた、痴漢電車シリーズの一編。新東宝配給のピンク映画。
コミカル路線に終始一貫している、安心と信頼の滝田ブランド。虚偽の婚約者を作るために粉骨砕身する探偵助手の娘と、遺産相続の件を捜査する私立探偵（蛍雪次郎）の物語が、次第に交錯していくという内容。
当時のカシオのハイテク計算機が重要アイテムとして登場するあたりに時代が感じられる。そして、その計算機を駆使した謎解きが、あまりにもくだらなくて、ツボに入りまくり。
クライマックスの急展開は、デ・パルマか、アルジェントか、はたまたヒッチコックか。何でもありのチャンポン鍋を十分に堪能することが可能。ワハハと笑って、ハイおしまい。これでイイのだ。
