荒野の狼

光の荒野の狼のレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
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「ヘタな絵」は絵の内(うち)に入るが、「ヘタな絵のような映画」は、映画の内には入らない。敢えてそれを狙ったというなら、返す言葉もないが、コイツはおよそ作品とは言えぬ、いや商品ですらないシロモノである。そこに悪気はないとは思うが、美の認識に盲目的な欠陥品には変わりない。例えば、基本的に言って芸術作品は、結果の評価はあるにせよ、人にどう見られるかを予(あらかじ)め考慮して成すものでなくてもよい。しかし映画は(芸術か否かは別にして)、公開が前提であるなら人がそれをどう見るか、どう見せるかの想定なしには成立しない。与えられる物に包装もリボンもなしのムキ出しならば、その程度のものだろうと思われても仕方がない。エロやグロにも見せ方というものがある。全てをリセットし、先ずは尺の長さを詰めるところから始めたらどうだろう。録音に関してはもう耳鼻科に行った方がいいレベルだ。余計なものを足すんじゃなく、引く作業。でもそれヤッたら、瑛太しか残らなかったりして(笑) そんでもって、いくら監督でも、俳優をキズモノにしていい権利はない。
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