不自然な音楽の切り替え、意味深なシーンの切り替え、狭い世界の中で濃密な人間関係をしっかり描いている。邪魔者を一度排除したことで、しっかり罪が根付き、その習性は人生についてまわる。
関わる相手によって自分の立場が変わって行くのが面白い。誰もが誰かに依存していて、その人の前では本来の自分が出せない。憎い存在でありながら、心底憎むことができない。
邪魔者を始末すればなんとか薄い光を保てると信じて生きていく人たち。いつかじぶんがやったことは違う形で必ず返ってくると知っていながら。
複雑な心情を意味深の音楽とイメージ像の交差で作り上げた、独特の世界観は重く息苦しい。しかししっかり人間味を感じさせる。