いぬわんわん

光のいぬわんわんのレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
-
人間の内側の、グロテスクな部分を鮮度よくみせられて、ノイズのような音楽の使い方も相まって何度も気持ち悪くなった。ただ、気分悪くなる映画って、途中でキツくてみるの辞めちゃったりするんだけど、この映画は不思議と最後までずっとみていた。
身終わったあとも恐怖にちかい気持ち悪さを抱えたまま、タイトルにある「光」とはなんだろうと考えていた。思い出したくない記憶のような映画、ほっといたら脳が勝手に処分してしまいそうな悪い記憶になった映画、だけどこのタイトルのせいで、この映画について考えなければならなくなってしまう。
暴力、性欲、殺意、愛、虚構、服従、恐怖、狂気
グロテスクな部分はすべて、どんな人間のなかにも潜んでいるものだと気づいた時、ザワザワしていた胸の中が急に静かになった。
夜の海に月の光が浮かんでいるあのシーンのような、冷たくて綺麗な静寂。