このレビューはネタバレを含みます
フラッシュバックの使い方として、そのFBが本筋から独立したシーン、所謂観客の優位性を担保するためのシーンとして扱われるのはどうにも見てられない。
しかし、この映画のそれは人物の中にしか存在し得ず、まるで人物が抱えるものを暴き出すように挿入されているのがいい。
思えば、踏み切りや消防車のおもちゃ、雷や花火といったオフの音響や、主人公の隠された人格の伏線といったものも、ただ映画を弄ぶように扱われるのことはなく、物語を推進させるものとして機能していたように思う。
あと、自首を決意したあとの夫婦のやり取りのツーショット。
夫と妻を、手前と奥に切り替えるつなぎが見事。