ひろぽん

闇金ドッグス4のひろぽんのレビュー・感想・評価

闇金ドッグス4(2016年製作の映画)
2.3
『闇金ドックス』4作目

ヤクザから足を洗い、闇金業者ラストファイナンスの社長となった安藤忠臣。元イケメンホストの従業員・須藤司と冷徹に取立て業務をこなす日々。ある日、ヤクザ時代の大兄貴分の豊田が10年の刑期を終えて出所する。安藤も気前よく放免祝いを包み、足を洗うと宣言した豊田を応援する。だが、世間の風は厳しく、再就職はままならない。そんな中、ひょんなことから喫茶店の店員・元子と一緒に暮らし始める。金銭トラブルを抱える彼女を救うため、ラストファイナンスを頼る豊田だったが、事態は思わぬ方向へと向かっていく。果たして豊田の運命はどうなるのかという物語。


忠臣がヤクザ時代に3ヶ月間だけお世話になった兄貴分の豊田が出所し、お金を貸すことになる。

お世話になった憧れの先輩という事と、金貸しという冷徹な取り立てをする仕事の狭間で心が揺れ動き、葛藤を隠せない忠臣。

義理人情を大事にするヤクザが堅気になることができるのかというのが主題となる。

忠臣が豊田に電話をかけても出ない時や、お金を借りに来る時、ラストの豊田の暴走を止めようとする時の忠臣の寂しそうな表情が印象的だった。

その反面、基本無表情の真顔なのに笑うシーンが見れたのがびっくり。

ヤクザが社会復帰しようと思うと周囲の人たちの理解や助けがないと本当に成り立たないんだと痛感した。

元子を思いやって闇金からお金を借りる豊田と、豊田を思いやって闇金からお金を借りようとする元子の相思相愛な関係が素敵だった。だけど、お互いに秘密を話さず自己開示しないまま生活していた事で負のスパイラルに突入していくところが切なかった。

豚の貯金箱と共に2人には幸せになって欲しい。

サイドストーリーで絡んでくるAV会社の話は必要性が感じられなかったし、コントのような掛け合いも大して面白くなかった。

4作目から監督が変わったことで雰囲気も変わり、大幅に面白みがなくなった。

今作は題材は面白いはずなのに、演出がイマイチ。主役のはずの忠臣も脇役のような扱いで、須藤もこれといって活躍しないからパッとしない終わり方。豊田もヤクザには見えないから人選ミスな気がする。

全体的にモヤッとした形で終わったし、胸糞悪さが心に残る。
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