あきしげ

ドラゴン×マッハ!のあきしげのレビュー・感想・評価

ドラゴン×マッハ!(2015年製作の映画)
3.5
単なるアクション映画と侮るべからず。

良かった点。

・父親と娘の深い愛情
・甥とオジの信頼関係
・ムエタイとカンフー
・正義は最後には勝つ

悪かった点。

・主人公二人の共闘が少ない
・悪役の知と武が物足りない
・所長の見せ場が少なすぎる

単純にムエタイとカンフーの対決。
そう予想してしまうタイトルです。

実際は単純なアクション映画ではない。
本作は父と娘、甥とオジの物語である。
両者にある共通の愛と絆が描かれます。

トニー・ジャーはタイを代表するアクションスター。
ムエタイから繰り出されるアクションは最高である。
しかし、本作はアクションよりもドラマが光ります。
娘を思う父親の強い愛情が間違った道を歩ませます。
そんな間違った道を正せるのが娘の存在という展開。

ウー・ジンは香港を代表するカンフースター。
華麗なるカンフーで様々な作品に出ています。
こちらもアクションよりもドラマが目立った。
潜入捜査の過程で自分自身も闇へ墜ちる事に。
這い上がるのはオジの強い絆と信頼関係から。

本作はムエタイとカンフーが戦う映画ではない。
アクションスターが演技で魅せる作品となった。
主人公二人の演技がしっかりと伝わってきます。

どちらも途中まで間違った道を歩んでいる。
その過程で身内の愛と絆で気づかせる事に。
これを本作では丁寧に描いている構成です。

内容はアクション映画として重い部類。
スッキリ爽快を望むならば本作は違う。
主演二人の魅せる演技が本作のメイン。

そして、登場する悪役は知と武がいます。

知では臓器売買のボスをルイス・クーが演じる。
一見して紳士のようだが中身は完全に危ない人。

武では刑務所の所長をマックス・チャンが演じる。
汚い刑務所の中では清潔感とクールさを持ちます。

ボスは心臓が悪く余命幾ばくもない。
100万人に1人という血液型です。
唯一、彼を救えるのは弟の心臓だけ。

所長は幼少の頃、死にかけていた。
ボスが彼を助けた事で大恩を抱く。
何よりボスへの忠誠心が強いです。

このように本作は深いテーマがある。
軽いアクション映画ではありません。

それを演じた主演の二人は素晴らしい演技でした。
あきしげ

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