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ドラゴン×マッハ!のurugin777のレビュー・感想・評価

ドラゴン×マッハ!(2015年製作の映画)
4.3
久々の鑑賞。
初めて映画館で見た香港映画。

トニー・ジャー&ウー・ジン主演、いやぁ…これも面白いですぞ。
ドニー・イェン主演「SPL/狼よ静かに死ね」の続編。しかし内容は全く関係無い別物になっている。だが別の役で前作に出ていたウー・ジンとサイモン・ヤムが出演。
更に脇を固めるのが特別出演枠として(と言っても案外出演時間は多い)ルイス・クー、トニー・ジャーの良き知人に酔拳2でお馴染みロー・ワイコン。そして本作最大の敵で最強の刑務所の所長にマックス・チャンが出演。

トニー・ジャーが初めて父親を演じていたって言うだけでも成長したなー、と思った。だって前は基本的に像とか象とか奪われて怒り狂って奪い返しに行くだけなんだもん…←
それが白血病の娘を抱える父親役なんてのをやった暁には成長したなと思うしか無いでしょ。

特別出演のルイス・クーのゲスいこと!まぁ自分勝手。ルイス・クーとマックス・チャンの間に何があったかをもうちょい描写して欲しかった気もする。
そして本作もう一人の主演ウー・ジン、後半のバイクに乗った瞬間にSPLのテーマ曲が流れた時は最高に激アツでしたね、ワクワクが最高潮だった。

さて、アクションに関しては素晴らしいの一言。ワイヤーと生身のアクションを上手く融合させて作られてるのがよく分かる。
特に途中の刑務所内の大乱闘シーンなんか手に汗握らんと見れないですよ、それぐらい圧巻で良い出来だった。刑務官が一斉に入って来た瞬間に流れるBGMが最高でその時点でボルテージはマックスに達します。
勿論最後のマックス・チャンとの戦いも最高、二人がかりで迫っても中々倒せない。あの動きを劇場で見た時はマジで腰浮きましたよ。これホント。全員が全員凄く動ける人だから見ていて常にハラハラが止まらなかった。

ただ、ちょこちょこアクション中に入る描写が多過ぎて途切れ途切れな演出になっていたのは少し残念。演出上仕方が無いのは分かるけどもう少し少なめにしてアクションを強調する所はちゃんと強調してほしかったです。
あとストーリーの時系列がタイと香港でごっちゃになってたのでちょっと分かりにくい場面があったので一回見ただけじゃ全部把握するのに時間がかかるかもね。それも演出上仕方が無いのかもしれない。

そして本作の一番の問題点は作品にあるんじゃなくて吹き替え!
別に吹き替えの出来が悪いとかそういうのじゃない、寧ろ出来は最高だった。トニー・ジャーは浪川大輔さんだしルイス・クーには小山力也さんだったしウー・ジンは野島裕史さんだったし…その点に関しては文句は無い。

ただ、作品の都合上字幕版を改変して吹き替えを作ってしまっている。
つまりどういう事かと言うと本作はタイと香港との言語の壁があり意思疎通が出来ないシーンがある、そこで携帯の翻訳アプリを使って話すシーンがある。ストーリー内でも携帯が鍵を握っていると言っても過言では無い。
しかし吹き替えで全員が日本語になっている状態で翻訳アプリを使うのは不自然なので、上手く翻訳や台詞を改変して吹き替え版を制作している。
これにより本作の鍵を握る携帯の意義が半減したり、何処か不自然な場面が出来てしまった。
こればっかりは制作側にも全く不備は無い、吹き替え版を作る上での苦肉の策だったと思う。

なので本来のやり取りや意味合いを知りたい人は字幕版を見るのをオススメする。
何にせよ本作は傑作と言っても差し支え無い出来なので、アクション映画好きは素直に楽しめると思う。
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