毒とエグみがクセになるトッド・ソロンズ監督のブラック・コメディ。ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』にインスパイアされて作ったとのこと。
『子犬物語』という愛らしいタイトルをつけるなんてシニカルすぎ!ワンコ好きは観てはいけません。でも、これから飼おうと思ってる人は反面教師として観るといいかも。ちなみに犬は全く傷つけてないとのことです。
1匹のダックスフントが次々と違う飼い主に飼われ、それぞれの飼い主たちのエピソードで綴られる。ワンコの気の毒な行く末…
癌の少年の家族(母はジュリー・デルピー)、動物病院の助手(グレタ・ガーウィグ)、映画学校で教える冴えない脚本家(ダニー・デヴィート)、死の近い偏屈な婆ちゃん(エレン・バースティン)。蒼々たるキャストが冴えない人間を演じます。
人生がうまくいかない人々にスポットを当て、ひねくれた目線で斬る。かなり醜い描写だけど、あんがい人間の本質を突いてるんじゃね?と思わせます。
グレタとキーラン・カルキンが演じたのは『ウェルカム・ドールハウス』の主人公といじめっこブランドンのその後なんですって。やっぱり冴えないまま大人になってる。笑
ワンコを通して、人間て本当にしょうもないなと思わせる作品でした。