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娘よのmidoredのレビュー・感想・評価

娘よ(2014年製作の映画)
3.0
児童婚から娘を守るために命懸けで逃げる母親のお話です。パキスタン女性が監督です。

公開当時は岩波ホールでいたく感動した覚えがあるのですが、今みると色々と気になりました。

・パキスタン女性の生活があまり見えない。
・宗教文化に対する敬意および解像度も低い。
・イスラム教徒の男性を残酷に描く事に主眼が置かれている。
・一方で「転びムジャヒディン」は心優しいイケメン。
・製作: アメリカ・ノルウェー・パキスタン
・「野蛮な国で虐げられし少女」という定型表現。

要するに、フェニミズムの顔をしたプロパガンダ映画に見えるのです。

例えば、パキスタン女性かつ文学者であるハディージャ・マストゥールの小説集『ダーダーと呼ばれた女』もフェミニズム作品ですがまるで別世界です。男尊女卑に苦しめられているのは同じでも、それだけではなく、パキスタン文化の中での女性が豊かに感じられました。

この映画のように、「お母ちゃんがひとんちで唐突にバター?作ったり」などしません。ちなみに翻訳は全文、大同生命国際文化基金のホームページで無料公開されています。

とはいえ、映像はあくまで美しく、デコトラは素晴らしく、カタルシスもあるので映画としては悪くないと思います。実際、初見では感動しました。
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