イギリスで人気のあるTVシリーズ「ロンドン特捜隊スウィーニー」の映画版「ロンドンヒート」の舞台設定をフランスにしてリメイクした映画。「ロンドンヒート」は2012年の作品だし、主役を演じたレイ・ウィンストンの凄味のある役がハマっていて面白い映画だったのにリメイクは必要ですかね?個人的にはロンドンヒートの2作目を作って欲しかったなぁ。
硬派で荒々しかった「ロンドンヒート」に比べ洒落て軽くなった印象。良く言えばライトになって見易くなったというところ。ストーリーはリメイクなのでほぼオリジナルと一緒。私は嫌いな設定なんですが…上司の奥さんと出来てるという設定もオリジナルと同じ。
これまで悪役もこなしてきた名優ジャン・レノなんですが、個人的にはやっぱりこの人はこういう役は向かないのでは…優しさが滲み出ちゃうというか隠しきれてないですね。サングラスに髭面という役作りして男臭さを醸し出していて上手いですが、レイ・ウィンストンの非情さある凄味には敵わないかな。
市街地での銃撃戦はオリジナルと遜色ない臨場感と迫力で見応えがあります。一部のシーンでもっさりしている所もあるが格闘アクションもなかなかの迫力です。話のテンポはオリジナルより良い感じで中弛みせず観れました。
劇中「俺たちはガキみたいに暴走して失敗した」という台詞がありますがその通りで、優秀なチームの筈なのに感情で突っ走る事が多くてその辺はあまり共感出来ない。抑える筈のリーダーが更に感情を抑えられないし、どいつもこいつも感情先走り過ぎ…。オリジナルはその感情先走りも何故か納得出来ていたんですがね…。
オリジナルを観ていなくても十分に楽しめると思いますし、観ていても比較しての楽しみ方が出来ると思います。個人的には硬派で荒々しい「ロンドンヒート」の方が好みですが、これはこれで楽しんで観れました。