しゃけ

仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴースト with レジェンドライダーのしゃけのレビュー・感想・評価

5.0
「仮面ライダーを好きでよかった」
この映画を観終わり最初に思ったことだ。

ゴーストのTVシリーズ本編に対し若干の難色を示していた私はこの映画でその意見を変えることとなる。もはや終わりよければ全て良いのだ。特筆すべきはゴーストのキャスト勢の1年間の重みが演技や表情からひしひしと伝わってきたということだろう。とくにタケル役の西銘くんの成長っぷりには拍手を送りたい。まるでセリフでキャラ付けをされているようで薄っぺらい印象だったゴーストのキャラクターたちは、なぜかこの映画ではその薄っぺらさは感じなかった。やたらめったら決め台詞を言わせとけばいいというゴースト本編での風潮がこの映画にはなかったからだろうか。
エグゼイド組は例年の冬映画でよく見られる「本編では対立してる2号ライダー(たち)が映画では仲良しこよし現象」がなかったのは大変よかった。エグゼイド本編の脚本家が本映画の脚本を務めたと知り納得である。また主人公である永夢の重要な秘密が明かされたことは、かつての555パラロスを彷彿とさせるようなもので興奮間違いなしだ。今回のものも「映画で本編に先行して明かされるもの」とのことなので(パンフ参照)今後のエグゼイド本編へも期待が高まる。
そしてなんといってもレジェンド勢の活躍だろう。戦闘だけでなく物語にも絡んでいく彼らにファンは興奮すること間違いなしだ。警察が捜査の内容を一般人に開示していいのかだとか、もはやそんなことはどうでもいいのだ。彼らがそれぞれの結末からしっかりと復活をした展開に好感を持った。また、鎧武があのロックシードを使ったり、なんと主題歌がボーカルありで……と、坂本監督ならではの気が利いたサプライズには毎度驚かされる。
坂本監督といえば、生身のアクション。傷メイクをするだけでやはり激しさが伝わり、鎧武終盤の鎧武VSバロンでも役者に傷をつけて欲しかったなと思い出す場面も。スーツアクションは宮崎さんがアクションを担当ということで、演出は坂本監督らしい撮り方が見られるがアクション自体はド派手すぎないものだった。ワイヤー等を駆使した濃厚な坂本節をアクション自体に求めていたファンは少々物足りないかもしれない。
全体的に内容の濃さというよりは、充実した「要素」の濃さとセリフ、そしてアクションで進めていく流れであり、お話に注目するとあっさり見えるかもしれない。しかし、ファンには嬉しい要素、期待をしていた要素、こなすべき要素、要素が完璧であったために私は大変満足だ。
ファンのための本当の意味でのお祭り映画。仮面ライダーのファンとしてこの映画は最高であった。
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