津軽系こけし

カーズ/クロスロードの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

カーズ/クロスロード(2017年製作の映画)
4.5
きみの走りが、ぼくを救う


【カーズ堂々の終幕】

✍️3回泣いた

🟥車たちの世界が舞台のピクサー作品「カーズ」の3作目です。続編として、想像しうる限り最も王道な終結を魅せてくれました。

🟨〈あらすじ〉
ベテランレーサーのライトニングマックイーンは、新世代レーサーの台等によって失墜の渦中にありました。それでも、どうにかレースへ返り咲くため、暗中模索で食い下がるのですが、それ以上の大事なことにだんだんと気づいてゆきます。

🟦続編として最も当たり障りのない” 世代交代 “というテーマです。「エクスペンダブルズ3」「007スカイフォール」挙げ出したらキリがないですね。つまり続編イズムにおいては使い古された題材なわけで、ぶっちゃけ予想できるといえば予想できるのです。
でもやっぱり泣いちゃう。あれだけ応援してきたキャラクターたちが、時代遅れと揶揄されて居場所を失ってゆくのは観ていて苦しい。導入にて、マックイーンの同僚がどんどん引退してゆき、彼だけが取り残されてゆく場面は思わず泣いてしまった。

そしてマックイーンがその葛藤への答えを見出した時の高揚感と、新しい毎日に胸を膨らませる眼差しに涙がこぼれました。

【しかし、完璧ではない】

⬛️でも気になるところはなくもないです。まず、あのスポンサーをまるで「悪」のように断じてしまうのは見当違いな気がします。彼の発想はマーケティング的にも間違ってはいないし、マックイーンをプロデュースをしようという愛情も本物でした。なのになぜ最後は”あのこと”に気づけなかっただけで、あそこまでの言われようになってしまうの…?
それも含めて、最後らへんの整頓がちょっと荒い印象です。ありがちな題材だから最後のシークエンスが退屈になりかねないという危惧から、スマートにしすぎて逆に淡白になってしまってます。”あれ”が走り出すとことか、もっと時間かけても良かったのでは?

❓こんなこと言っては大変恐縮なのですが、もしシナリオを変えられるなら、”あれ”はレースに負けるけれど、ジャクソンストームにライバルとして認められつつ、互いに新世代という立場の葛藤も吐露する…そしてマックイーンがそれを過去の自分と重ねて、背中を押してあげる。……というラストの方が観たかったです。

【2なかったことにされてるなまとめ】

🟫メーターにはいちお「カーズ2」で諜報部員のハイスペック彼女ができたのですが、まるでなかったことにされてましたね。失恋したのかしら…💔

🟥ちょっと弱いところはあれど、素晴らしい続編であることには変わりありません。3D表現も前作らと比べ格段に精巧になっていて、車体の反射なんか本物と遜色ないです。レース後に、車体の下が汚れまみれになっているのも細かくて好きです。

ここまで完璧な続編なのに、さらに続編が出たら私は卒倒する。
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