とねま

シャーケンシュタイン/フランケンジョーズのとねまのレビュー・感想・評価

4.1
僕がサメ映画をちょっとずつ見ていたのは、実はこの映画を探し出すためでした。モンスターシャークが海岸を歩いている美女を雑に食い殺すシーンの切り抜きをTwitterで見て大爆笑した記憶があり、その元の映画を探していたのですが、思わずこんなに早く発見できました。

最高。まじで全てが雑でダメで、それでいて開き直っているクソなサメ映画。物語の舞台は海の入江とされているのだけど、実際に人物たちがいるのはどう見ても淡水の湖だし、空撮で出てきた島も結局湖畔のただの森だし。サメの合成はもとより、怪しい研究所や潜水艦や雨も炎も合成というか安っぽさ丸出しのCG。いや、炎は合成じゃなくていいじゃん!!!!

モンスターシャークのゴリゴリ合成は最初こそ笑ったけど、徐々に慣れていって笑えなくなってしまった。でもちょっとだれてきた頃に「モブ」たちが登場してまた最高。「撃ち殺すぞ!Yeah!!!!!!」みたいな「外人四コマ」のようなはしゃぎ様とか、おばちゃん以外気の抜けた発砲とか、挙げ句の果てにサメに食われたばかりのはずの二人がサメを追いかけるモブ集団に写ってしまっている。
場末のセクシー女優がモンスターシャークにレイプされるのは斬新すぎた。とはいえ、脳と心臓が人間のものだから人間に発情するというのは筋が通っている…?

そうそう、フランケンシュタインは怪物を作ったマッドサイエンティストで、怪物の名前ではないので「シャーケンシュタイン」は間違っているんだけど、そこにも自覚的だったと思う。聞き取れた限りだとモンスターシャークを生み出した科学者は「Frankenstein Monster」と言っていて、多分これはFrankenstein's Monsterのことだと思う。大学生たちは「怪物=フランケンシュタイン」だと思って「シャーケンシュタイン」と名付けてしまうんだけど、科学者はこの名前を使っていない。
さらに、この科学者はナチスの残党でヒトラーを信奉しているからか、ところどころ英語がドイツ語訛りみたいになってた。soが「ゾー」、soonが「ズーン」とかね。ナチス要素が研究所に申し訳程度に飾ってあるハーケンクロイツしかないくせに、ここは謎のこだわりを感じた。

主人公の女の子可愛かった。メガネに三つ編みでおとなしい、あるいはオタクっ子って感じなのにでかいタトゥーが入ってる。そういうの好き。

炎上する屋敷(なお炎は雑なCG)でサメと組み合う保安官の図が最高でした。
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