トランスマスター

スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー/純愛日記のトランスマスターのレビュー・感想・評価

2.0
♯85 ロイ・アンダーソン監督
長編映画デビュー作品

中毒性のある
スウェーデンの巨匠
のデビュー作品は
意外にも普通の映画。

カメラも動くし
屋外ロケもあるし
出演者の顔色も自然体
肩透かしを喰らいます。

◯あらすじ
1970年のスウェーデンが舞台。
主人公は車の塗装工の息子
15歳の少年ペール
初恋の彼女は冷蔵庫のセールスマンの娘
14歳のモニカ

主人公達は
地方のマイルドヤンキー
タバコ・原付・酒・Hな事が大好き。
奥手の2人は最初は
お互いをチラ見するだけの仲だったが、
お互いに惹かれていく
甘酸っぱいアオハルストーリー…

なわけがない。

ロイ・アンダーソン監督は
デビュー作品から
期待を裏切らない。

ペールの実家で開かれた
ザリガニパーティーから

【ロイ・アンダーソン節】
が発動されます。

◆良い点/注目ポイント
・ヒロインのアニカの美貌は
まさに北欧の妖精
ダレノガレ明美系
美少女
・スウェーデンの原付
アメリカンバイクなフロント
自転車のリア
これ今日本で発売されたら
絶対売れます。
私が買います!
・ペールの父親が親戚の前で
披露したジョークの滑り方は、
必見です。

——ここからネタバレ——
【spoiler alert 】
・酔っ払ったアニカの父親
ヨンの独り言の
メッセージは強烈

「世界はロクデナシどもで溢れている。
娘は金持ちになる!
腐った世界では
金が一番大事だ
金がないと負けだ
やり返せ!
世の中に復讐しろ アニカ!」

◆改善点
・冒頭部分は退屈な
お洒落映画で
必ず寝ます。

◆総括
・オチは完全に確立された
スタイルでした。

ロイ・アンダーソン監督は
この作品の次作
『Giliap』が興行的にコケてしまい
リビングトリロジーまでの
25年間の構想を練る間に
400本~500本のCM映像を
作成していました。

おそらくその経験が
15秒の一コマに1ヶ月撮影を擁する
ルーティンになったのでは無いか
と推測します。

今作はあまり他人に
オススメする作品ではありません。

しかし
『リビング・トリロジー』(三部作)は
是非皆さんに観ていただき
感想を語り合いたいので

全国どこでもこの三部作を
コンプリートできる方法を
お知らせします。

【ショートカット】
『散歩する惑星』
→U-NEXTで視聴
『愛おしき隣人』
→TSUTAYAで【取り寄せ】レンタル
『さよなら、人類』
→アマプラかU-NEXT
または
近所のDVDレンタル店で大丈夫。

ちなみに私は『Giliap』以外の
5作品を全て別々のレンタルショップ
を探し出しました。

かなりの時間と交通費が
かかりましたが、
ロイ・アンダーソン監督の
人生の4分の1の時間を費やした
三部作に向き合う為には
このくらいの手間をかけなくてはという
自己満足です。

しかし返却する手間が
後からやってきますので
皆さんは是非
先程紹介したショートカットを
ご利用下さい。

-2021年85本目-