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スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー/純愛日記のkojikojiのレビュー・感想・評価

3.6
No.1693 1970年スウェーデン映画
監督はロイ・アンダーソン(長編映画デビュー作だそうです)

 ジャケ写を見て下さい。
18歳ぐらいの恋愛映画と思いますよね。
この後ろ向き女の子はまだ13歳になっていない設定で、男の子も13歳、つまり中学生のラブストーリーなんです。見えませんよね。
このシーンが劇中ありますから、ポスター用に作ったわけでもありません。
確かに彼女はこんなスタイルでした。

 1970年頃の恋愛映画といったら、思い出すのは
1971年 フレンズ(イギリス映画)
1971年 小さな恋のメロディ(イギリス映画)
邦画だったら1974年ですけど「恋は緑の風の中」ぐらいでしょうか。
これらの映画に比べるとかなり異質な映画だと思います。

 さすがにスウェーデン映画は進んでいます。中学生がタバコをずっと吸ってますし、バイクは乗り回すし、両親のいない間にお泊まりするし。(因みに「フレンズ」は子供作ってしまいますけどね。😅)

 やることなすことどうみても高校生以上に見えます。そういう事もあったのか、この映画、1971年封切り時は20分カットされて上映されたそうです。しかしどのシーンを、何のためにカットしたんでしょう。さっぱりわかりません。尚、いやらしいシーンは全くありませんので期待しないように。

 私はこの映画のことはフォロイーさんのレビューで知りました。それまで聞いた事もありませんでした。おそらくうちの地域では上映されていないでしょう。もしされていたら、当時なら飛びついていたはずですから。
主演のアン=ソフィ・シーリンがすごく可愛いですし。

 主役の一人の男の子ペール -(ロルフ・ソールマン)は決してハンサムではありません。仲間が4人いて、その中にはこの後「ベニスに死す」で脚光を浴びるビョルン・アンドレセンもいますが、一番目立たない子です。でもその彼を好きになった彼女は見る目があるなあと思います。多分一番いい子ですよ、きっと。

 邦題は「スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー」となっていますが、純粋な恋愛映画かと言われれば、何だか違うような気がします。
彼らの両親や周りの人がえらく人生に疲れていて、悩んでいます。なぜそんなに苦しんでいるのか、よくわからないシーンが続きますし、ラストはもう恋愛どころではないようなことが起きてしまいます。彼等を取り巻く大人たちの行動はよく理解できませんでした。
わかるのは、この二人が確かに恋をしているということだけです。
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