車を運転していたら、ふいにブレーキが利かなくなり、速度が勝手に上がり、なす術もなく目をつむり祈る___死ぬ悪夢を何度も観るほど、死への恐怖に取り憑かれたマイルズ。死後存在が消えてなくなるのが怖いようだ。
マイルズは、死への恐怖から外にも出られず車も自分で運転ができない、母親と二人暮らしの冴えない男。歩き方やしぐさも少し挙動不審で、早歩き。
主演のアネット・オトゥールは、常に何かに怯えている神経質な男を見事に演じており、普段からこういう振舞なのではと思わせる完成度。
死後の世界が実在することを証明した人間に懸賞金を渡すという広告を出したところ、ものすごい応募が届いたが、そのほとんどが詐欺師や嘘、ただの不思議な体験談だったりする。
そんな中、(死後の世界があると証明されたところで安心できるのだろうかという疑問はさておき、)マイルズは信頼できそうな3人を入念に選び、実際に会ってみることに。
誰とは言わないが、そのうちの一人に導かれるまま、まんまと死後の世界と繋がってしまったマイルズ。はたして、触れてはいけない世界に足を踏み入れてしまった彼の行く末は_____
ホラー描写自体は多くはないので、そこまでかしこまることはないが、
さりげなく画面に映っている霊の影や表情に寒気を起こされ、中盤から後半にかけては、じわじわと死の世界へ招き入れられているような恐怖を感じる。
死後の世界が怖いと思ったことのある人は、一度観てみても面白いかも。
個人的には、母親の過保護が過ぎるために、銃を持ち出し、息子を騙したらタダじゃ置かないと迫った時の鬼気迫る顔が一番怖かった。笑