鍋レモン

gifted/ギフテッドの鍋レモンのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.5
⚪概要とあらすじ
「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エバンスが幼い姪に愛情を注ぐ独身男を演じ、「(500)日のサマー」「アメイジング・スパイダーマン」のマーク・ウェブ監督がメガホンをとったファミリードラマ。

生まれて間もなく母親を亡くした7歳のメアリーは、独身の叔父フランクとフロリダの小さな町でささやかながら幸せな毎日を送っていた。しかし、メアリーに天才的な特別な才能が明らかになることで、静かな日々が揺らぎ始める。メアリーの特別扱いを頑なに拒むフランクのもとに、フランクの母イブリンが現れ、孫のメアリーに英才教育を施すため2人を引き離そうとする。そんな母に抵抗し、養育権をめぐる裁判にのぞんだフランクには、亡き姉から託されたある秘密があった。

⚪キャッチコピーとセリフ
“いちばん大切なのは、<愛する>才能”

「つまりだ、人は思ってもないことを言うもんだ」

⚪感想
ファミリー作品。

女の子と大人なの男性のコンビの映画にとにかく弱い。
関連にあった『アイ・アム・サム』も観たくなった。

メアリーが可愛すぎてダメ。
楽しそうにしていたり悲しそうにしていたり、怒っていたり、その全部でボロボロ泣いてしまぐらいには単に私が精神的に弱っているのかもしれないけどメアリーを演じる女の子の演技が素敵だった。
鉛筆の持ち方は演技?

ギフテッドはなにか障碍がある中で偏って秀でている物っていう認識だったけどギフテッド=『神様からの贈り物』で生まれつき持っている類まれな能力のことを言うようだ。
今作のメアリーは数学の知識で叔母、母から受け継いでいるものらしい。

前はクリス・エヴァンスが苦手だったのに最早めちゃくちゃ好き。
いい人も嫌な人もどちらもできるし怒りを表すシーンが本当に上手い。『ナイブズアウト』も凄く良かったし。
吹き替えは中村悠一さんが通常かと思っていたので加瀬康之さんだったのが少し意外。聞いたことあるけど誰だっけの正体はきっとデッドプール。

『シェイプオブウォーター』でゼルダを演じていたオクタヴィアスペンサーが予告にいたのが見たキッカケかも。フランクの家の隣人さんでこの人がいると謎の安心感がある。

助演猫賞があれば推薦したいくらいイケメン猫で可愛いフレッド。
猫嫌いだけど目が一つの猫は大丈夫というフランクのセリフにやさしいきもちになった。

メアリーの幸せが全てで、それが正解だと思う。



⚪以下ネタバレ



シンプルに考えるのであれば類まれな能力を持つメアリーをその能力を伸ばすことできる優秀な学校へ通わせるというのが妥当であるが、彼女の母ダイアンはそれによって傍から見れば不幸な人生を歩んできたように見え、それを知っていたダイアンの弟フランクは一般的な生活をさせることを願うという。
メアリーの祖母イブリンは少しやりすぎな面もあるが良い学校に通わせて娘のダイアンが解けなかった問題をとかせて名を残したいという気持ちも分かるし、普通の幸せな時間を過ごさせてあげたいというフランクの気持ちも分かる。だからこその裁判はかなりしんどかった。ダイアンは大切な日々をずっと数学に費やしていたのだと思うと胸が苦しくなったし、フランクは優しい人なのに一時の暴力とメアリーのいじめを救うための暴力が不利に動いてしまうことがなお辛かった。
最後はメアリーは大学で授業を学びつつ、元の学校の生徒とも遊べ、フランクと暮らせるという1番よい展開だったが、道中がしんどすぎて「最初からそうしろや」ってもはやキレそうだったが。

今作はメアリーではなくフランク視点で進んでいるので、ダイアンの日々を見てきたフランク故の一般的な生活をさせたいという若干の偏りがあったのだと思う。
メアリーの幸せは本人でなくては分からないが、“フランクと居ること”“数学について知ること、解くこと”が元々上位にあって、ラストは“友達と遊ぶこと”が候補に入ったのではないかと思った。

そうはならないだろうって思ったけど、猫のフレッドが里親募集のポスターにいたところめちゃくちゃ苦しくて辛くなった。殺処分されず生きていて良かったし、フランク他の猫ちゃんまで助けてくれていてちょっとした描写だけど幸せになった。

個人的にメアリーの担任の先生ボニーとフランクが寝る必要はない気がするけど、ルールを守らない・自由が欲しいというとこでメアリーとフランクが揉めるシーンが欲しかったのだと思えば仕方がない。
メアリーの『スティーヴンソン先生おはようございます』の皮肉も効いていたし。

解釈によるかもしれないが、ボニー先生はメアリーの才能に気づいて意地悪するのではなくもっと難しいテストを準備しておいてくれたところが好きだった。メアリーのニコッと笑顔にもほっこり。

病院へいって出産を見守るシーン良かった。

⚪以下ストーリー(Wikipediaから引用)
7歳になるメアリー・アドラーは、フロリダ州タンパ近くの小さな町で、叔父のフランクや隻眼の猫フレッドと一緒に暮らし、近くに住む中年女性のロバータを親友と呼び慕っている。学校が始まり、登校したメアリーは算数の授業で驚くべき数学の才能(ギフテッド)を見せた。

担任教師のボニー・スティーヴンソンはメアリーの頭脳に感嘆し、その才能を歓迎する。しかし調べてみると、彼女の母親ダイアンはミレニアム問題のひとつであるナビエ–ストークス方程式の解明に迫る天才数学者として将来を嘱望されながらも、既に自殺していることが判明する。

渋々学校に通い続けていたメアリーだが、ある日送迎バスの中でクラスメイトのジャスティンをわざと転ばせた12歳の上級生を殴り、鼻の骨を折ってしまう。メアリーが手に余ると感じた校長はフランクを呼び出すと、彼女を奨学金付きでギフテッド向けの学校に編入させる伝手があると申し出るが、フランクはメアリーを普通の女の子として育てる決心を固めており、申し出を断る。

すると間もなく、メアリーの祖母であるイヴリンが2人のもとへ訪ねてきた。自身も数学者だったイヴリンはメアリーを才能に見合った最高の教育環境に置くべきだと主張するが、フランクはダイアンが望むのはメアリーに普通の生活を送ってもらうことだと返答する。フランクとイヴリンは養育権を巡って法廷で争うことになり、メアリーの顔すら知らない父親までも現れた。裁判が進むと、フランクが雇った弁護士は「相手側は負けを覚悟しているが、実際には自分達が負けるだろう」とフランクに告げ、この状態で和解に持ち込むことが最善手だと提案する。

フランクは苦渋の決断を下し、親権を保持したままメアリーを里子に出すことを決めた。メアリーはフランクの家から車で25分ほどの距離にある里親の家に住み、イヴリンが推薦する私立学校に通うことになる。フランクは嫌がるメアリーを猫のフレッドと共に里親の家に残し、彼女の前から去っていった。フランクとイヴリンは定期的に面会する権利を得ていたが、次にフランクが里親の家を訪ねた時、フランクはメアリーの拒絶を理由に会うことを許されなかった。

ある日、ボニーが学校の掲示板を見ていると、フレッドの引き取り手を捜す動物愛護センターのポスターが貼られている。ボニーの報せを受けたフランクが車を飛ばし、薬で処分される寸前だったフレッドを助け出すと、センターの職員からアレルギーが原因で持ち込まれたと聞かされる。フランクはイヴリンの仕業だと確信する[注 1]と、フレッドと共にいた数匹の猫を引き取り、里親の家へと向かった。

里親の家で家庭教師と共にメアリーに教育を施すイヴリンを見つけたフランクは、1冊のノートをイヴリンに差し出してメアリーを連れ帰ろうとするが、メアリーは逃げ出してしまう。ノートの題字は、ダイアンがナビエ–ストークス方程式を解読した論文であることを表していた。メアリーに追いつき謝罪を受け入れられたフランクはイヴリンと対峙し、ダイアンからイヴリンの死後に論文を公表するよう頼まれていたことを明かすと、論文を発表することになれば忙しくてメアリーの養育どころではないだろうと騙りかける。論文を受け取ったイヴリンは、フランクと共に帰っていくメアリーを見送った。

再びフランクと暮らすことになったメアリーは、フランクの送迎で大学に通い授業を受けるようになる。しかし、放課後になれば元いた学校の生徒達と共に楽しく遊んでいた。

⚪鑑賞
YouTubeレンタルで鑑賞(吹き替え)。
鍋レモン

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