グラッデン

gifted/ギフテッドのグラッデンのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
4.3
久々に映画見ながら泣きそうになりました。

『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督の最新作ということで、鑑賞前はポップな仕上がりを予想していましたが、登場人物たちに静かに寄り添う、非常にオーソドックスな作りであったと思います。

タイトルである「ギフテッド」とは、先天的に顕著に高い能力を発揮する人のことを表す言葉。本作に登場する7歳の毒舌少女・メアリーの場合、生まれつき数学の天才的な才能を有している。

物語は、一般の学校に通うことになったメアリーの才能に周囲の人間が気づきだしたことから動き始めます。両親に代わり彼女の面倒を見る叔父・フランクは、ギフテッド教育に定評のある進学校への進学を拒否し、彼女に対して子供らしく成長してほしいと望みます。
一方、彼女の居場所を突き止めた祖母(フランクの母親)・イブリンは、彼女の才能を伸ばすことを望み、フランクから養育権を奪い取ろうとします。

類稀なる才能を持つ子をどう育てるのか?フランクが示したように「子供らしさ」を尊重すべきか、イブリンのように「才能ある者」として扱うのか?本作では明確な答えは提示されていなかったと思います。フランク同様、鑑賞する側も色々と考えさせられる内容ではないかと。その中で見出した結論=結末だからこそ、どこかでスッと腹に落ちた印象もします。

また、本作を見た以上、毒舌の天才少女・メアリーを演じたマッケナ・グレイスさんを触れないわけにはいきません。才能溢れるクールさ、7歳児らしい生意気さを併せ持つ役柄を見事に演じられたのは、大変素晴らしかったです。逸材ですね。
そして、フランクを演じた、キャプテン・アメリカでおなじみのクリス・エバンスも非常に良かった。キャプテンとはまた違ったワイルドな風貌もさることながら、少女との交流の中に見せる不器用さが物語を見ていく中でグッときました。彼の代表作の1つになるのではないかと。