mamorushirakura

gifted/ギフテッドのmamorushirakuraのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
3.9
久しぶりに役者の演技力で涙が出た映画だった。

マッケンナ・グレイス。
今日でこそ「キック・アス」で同じく驚愕したクロエグレースモレッツと、どことなく似てるような気がして名前をググったが、今後は彼女の動向はあえて見守らず、この映画の中のメアリーとしてだけ覚えておきたいと思う。

それぐらい、メアリーの訴えかけてくるものがすごい。

天才的才能を持ちながらも、子どもの心を宿している。特異な存在のように見えるが、子どもとは本来そういうものだと思う。本当に素晴らしい演技だった。

クリス・エヴァンスは、キャプテンアメリカの印象が強かったけれど、見方が変わった。
メアリーを特異な存在だと感じながらも、人として大切なことをきちんと伝えようとしている。芯の部分でメアリーを愛する叔父。ストーリーを通して磨きがかかるように演出されている。
彼もとってもハマり役だったと思う。

印象に残るシーンが多いのも良かった。
浜辺でフランクとメアリーが戯れるシーン。影。
病院の待合室。
微妙な状況(コイントスって英語が聞き取れた)を写す手取りカメラワーク。
心に残る作品になった。


一方、気になった点も。

アメリカの教育事情は詳しくないが、担任になる教師が親の情報をネットで知り得るというのはあることなのか?
仕事柄、親の情報が意外に入ってこないことはわかるが、さすがにあそこまでわからないものか…?
教師と保護者の一線を越えた関係も、描かれていたほどサラッと簡単には受け止めきれなかった。
職業病かな…。

それと、結末はもう10分とっていいから、メアリーのその後をもう少し見せて欲しかった。
メアリーにときめいた分、ラストの駆け足感がとてももったいなく感じた。


というか、メアリー見終わりたくなかった。
全てがマッケンナ・グレイス。
弱冠11歳の少女、いや女優の素晴らしさを表現するには申し分ない映画だった。