チョウチョウ

出張のチョウチョウのレビュー・感想・評価

出張(1989年製作の映画)
4.3
出張中にゲリラに誘拐され、1000万の借金を背負うことになった一人の中年男性の悲喜交交。石橋蓮司が画面に出ずっぱりなのも珍しいなと思いながら鑑賞。原田芳雄目当てだったけど石橋蓮司メインの序盤と終盤が面白かった。思うに、同じ電車のシーンでも始めと終わりの感情が全く変わったものになっているからで、そもそも落石事故で温泉地に留まることになった夜のきゃっきゃうふふから平坦な日常に起伏ができていったのである。ゲリラの若い隊員のSEXをみて、自分も何か革命に関わったようなそんな大袈裟な気持ちになるのが可笑しい。
なんか馬鹿馬鹿しいけど頑張ろうと思わされるような、一生出会うことのない人々の交流が胸に刺さる。
夫婦の冷戦状態が爆発するのもすごい好き。近代日本の物語の一つの真骨頂というか。
原田芳雄の毛皮はカッコ良すぎます。ゲリラをやり過ぎて惰性になっている感じも皮肉なのか、面白いし原田芳雄らしい役で非常に満足。
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