映画おじいさん

ブラック・ジャックの映画おじいさんのレビュー・感想・評価

ブラック・ジャック(1972年製作の映画)
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頭が悪いので当然医者の話かと思っていたら全然違っていて、長くて変わった名前だから覚えやすくブラック・ジャックと仇名された大男のフランス人が出てくるからこのタイトル。しかし主人公ではなかった。

大男のフランス人といえばアンドレ・ザ・ジャイアントだよなあと頭が悪いからまず思ってしまう。案外、欧米ではフランス人男性は大男のイメージがあるのかも知れない。根拠はこの映画とアンドレだけだけど。

BJは絞首刑されたものの、首の皮が厚かったのか蘇生してしまい、近くにいた少年(主人公)を英語通訳として誘拐するところから始まるロードムービーで、娯楽作品として相当面白い。

詐欺まがいどころか明らかに詐欺なやり方で怪しい薬を売る医者なんだか旅芸人なんだか分からない爺さんなど道中に出会うサブキャラ充実。
同じ頃の日本でも医者が賤しい職業だったように18世紀イギリスでも医者は相当に怪しい職業だったことが想像出来る。

頭がおかしいとされ親にも愛されない少女がヒロイン。前年製作の『家庭生活』の主人公にも繋がるキャラクター。

終盤はこの少女と父親との血縁関係をたどるサスペンスに物語が展開していって最高だった。

BJが悪人ともそうでないとも言えないような人物でディープ。道中に仲間となった人の物をくすねてキックアウトされながらもいつも間にか戻ってきているのとかも凄く良かった。

観た後かなり経ってもジワジワくるし、観れば観るほど発見かありそうだし…やはり傑作ですね。