キャシー・カム・ホームを配信している動画配信サービス

『キャシー・カム・ホーム』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

キャシー・カム・ホーム
動画配信は2024年4月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

キャシー・カム・ホームが配信されているサービス一覧

キャシー・カム・ホームが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
クランクイン!ビデオ
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
スターチャンネルEX
みるアジア
WOWOWオンデマンド

『キャシー・カム・ホーム』に投稿された感想・評価

イギリスでは1960年代〜70年代にかけてロンドンやらバーミンガムのような大都市にスラム街が存在していたらしい。第二次世界大戦直後ではなくこの時代に、である。

経済成長不振によるいわゆる「英国病」と言う奴がその要因であろうが、本作ではそんな時代の若い夫婦がロンドンに出た後に互いの情熱と勢いで結婚したものの、妻の妊娠やら夫の怪我やら失業も重なり、結果高額な家賃が払えずにどんどんランクの落ちるアパートに引っ越さざるを得なくなり、しまいにはホームレス同然となるという救いのない状況を描く。

同じローチの『家庭生活』のレビューでも書いたように、イギリスにおいてはその階級社会に由来するアッパー層の既得権益の固執に第二次世界大戦後のイギリスにおける都市整備の遅延も重なり、元々住む家がない状態。そんな中で明らかに下層に属するであろう若い夫婦の住む家なんぞない。そういう社会の歪みを、80分という短めの尺の中でいささか性急なストーリー展開と荒い編集で(貶しているのではない)すばらしく描き切っている。全く呵責ない演出だ。

尚、本作はケン・ローチがBBCテレビのために16ミリで撮影したドラマであるが、そのためか後年の作品より直截に社会的な問題に切り込んでいる感。それにしても、映画の最初と最後に置かれた妻の似たようなバストショットは、同じ音楽が流されていることもあってその置かれた状況のあまりの変容ぶりが痛切に観客に印象付けられる。その最後のショットに被さる「戦後ドイツでは手厚く住宅を建設したがイギリスでは…」云々の皮肉めいたスーパーインポーズ。
ROY

ROYの感想・評価

-
キャシーは恋に落ちて結婚して子どもを産むが夫の交通事故をきっかけにホームレスに落ちていく。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』の原点

■INTRODUCTION
ケン・ローチは1963年BBCに入社後、「Wednesday Play」シリーズのドラマ演出によって頭角をあらわした。その1本であるこの作品は、高額な家賃が払えずホームレスとなる若い夫婦と幼い子供たちを描き、ケン・ローチの作風の原点といえる。また、名コンビとなるプロデューサーのトニー・ガーネットとのTV時代の仕事としても貴重な作品。

■NOTES
主人公は労働者階級のキャシーとレジの夫婦だ。レジは高給取りのトラック運転手。二人は結婚をして、最初は最新式の二重窓のついたマンションに居を構える。

だが、キャシーが妊娠して仕事を辞めるのと同時にレジがトラックで事故を起こして収入が断たれたのをきかっけに、二人の住居はしだいに粗末なものになり、ついにはホームレスになっていく過程をこのドラマは描き出していく。
 
その背景には、1960年代の住宅不足という問題もあった。それと貧困が重なって、キャシーとレジは下り坂を転落することになる。最初はレジの母の家に身を寄せるも、キャシーとレジの間柄がうまくいかなくなる(ここでも理想的な、親類で助け合う「拡張された家族」の幻想が否定されている)。

仕方なくかなり貧相な地域にアパートを見つける2人だが、大家が急死し、大家の甥に滞納していた家賃を厳しく取り立てられ、強制退去させられる。2人はキャラバン暮らしを始めるも、地域住民によるキャラバン民への弾圧が起き、空き家の不法占拠、テント暮らしを経て、ホームレス向けの臨時宿泊施設に流れ着く。

だがそこは男子禁制であり、レジは家族と切りはなされてしまう。やがて家族から心が離れるレジ。ついにはキャシーは二人の子供とともに施設も追い出され、保護者として不適格との判断をされて子供たちを「保護」される。最後に、冒頭の場面の反復で一人ヒッチハイクをするキャシー……。

ケン・ローチについてのドキュメンタリー『ヴァーサス』(2016年)によれば、『キャシー・カム・ホーム』は、放送されると、住宅不足という社会問題もあいまって一気に話題と論争を巻き起こした。

この物語は、『土曜の夜と日曜の朝』(アラン・シリトー著、他の著書『長距離ランナーの孤独』)の結末が(住宅という象徴によって)生ぬるい形で示している、富裕化した労働者階級の生活が、実際にはどのような現実を含んでいたのかを示している。

↑河野真太郎「家族が“贅沢品”になる時代……誰が“個人”を守るのか?」『現代ビジネス』2019-12-15、6頁、https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69207?page=6

*この記事はぜひ読んでいただきたい

——————————————————————————

『キャシー・カム・ホーム』は、1966年11月16日、「Wednesday Play」のレギュラー枠で放送された。ジェレミー・サンドフォードが脚本、ケン・ローチが監督したこのドラマは、イギリスの慢性的な住宅不足を告発するものだった。

(中略)

『キャシー・カム・ホーム』は、テレビドラマが視聴者に影響を与える能力があることを示し、同時に、ホームレス問題を世間の話題にし、慈善団体シェルターの支援にも大きく寄与した。本作は、ほとんどが手持ちのカメラを使ったロケで撮影された。劇中のリアルな演出は、住宅危機の事実を伝えるナレーションによって説明される。このドラマで提起された問題は広く議論され、それによって政策も見直され、家族が簡単にはなればなれになることはなくなった。

『キャシー・カム・ホーム』は、2000年に行われた英国テレビのBFI 100投票で、最優秀ドラマに選ばれた。スタンフォードはその後、『Edna, the Inebriate Woman』(1967)を執筆した。ローチは、『ケス』や『麦の穂をゆらす風』など、映画でも大きな成功を収めている。BBCは、高い評価を得た『Five Daughters』など、社会問題を提起するオリジナルドラマを作り続けている。

↑“History of the BBC”, https://www.bbc.com/historyofthebbc/anniversaries/november/cathy-come-home より抜粋/翻訳

——————————————————————————

_『キャシー・カム・ホーム』からほぼ50年経ちました。監督ご自身は今、このドラマ作品をどのように振り返りますか?

ケン・ローチ:今、住宅にまつわる話をして、当時と同じような爆発的な関心懸念を引き起こすことは可能でしょうか? あれは、テレビがもっと素朴な目で見られていた時代の作品です。ですので、それまで見たことのないものに今よりも簡単に心を動かされました。

昨今は、誰もがテレビというメディアに飽き飽きしていると思います。視聴者は何も感じなくなっている。メディアはそれに対して、ますます安っぽい扇情主義に走っています。それに、チャンネルが多すぎて、ある特定の映画が1966年の『キャシー・カム・ホーム』のような衝撃を与えられることはありません。

しかし、今日でも、家探しに苦闘する人々は、当時と同じような絶望的状況にしばしば置かれているのです。

↑Forrest, Adam (2016). The Big Issue.

——————————————————————————

PiL(Public Image Ltd.)のアルバム『Happy?』(1987)に収録されている「The Body」は、この映画に影響を受けており、曲中にも出てくる。

♪Cathy, go home without your daughter

In a welfare state, she'll be well looked after

And it's easy now this other person

Is off your back, not a burden♪

「望まれない妊娠と未婚の母の上にのしかかるほとんど犯罪者みたいな意識、そして彼女に降りかかる様々な苦難。男に捨てられ、家族からの支えもなく、社会から孤立していく様が描かれているんだ。キャシーが可哀想でどうしょもなくってさ。自分の両腕で、デッカい翼みたいに彼女を包み込んでやりたかったよ」ジョン・ライドン(元セックス・ピストルズのボーカル、現PiLのボーカル)

↑ジョン・ライドン/田村亜紀(2016)『ジョン・ライドン新自伝-怒りはエナジー』シンコーミュージック・エンタテイメント。

———————————————————————————

◯石川由美「住宅価格の高騰により英国の資産形成の柱に黄色信号。影を落とし始めたEU離脱の行方」『Lifull Home’s Press』2020-01-09、https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00987/

■THOUGHTS
DaiGoさんの一件で町山智浩さんが話題に挙げていたので見始めた

リアルすぎてヤバい

“Runts! I saw you laughing. Wipe that smile off your face! ~ You don’t care. You only pretend to care! Oh, I’m sorry.”

“All the events in this film took place in Britain within the last eighteen months. 4,000 children are separated from their parents and taken into care each year because their parents are homeless. West Germany has built twice as many houses as Britain since the war.”

199
ある出来事をきっかけにホームレスになっていく若き夫婦の姿をドキュメンタリータッチで描く、ケン・ローチ監督作。

BBCのドラマシリーズ「The Wednesday Play」の中の一本として製作されたTV映画らしい。

政治や社会がきちんと機能していないと誰に起こってもおかしくない転落物語で、他人事ではないなと思いながら見ていた。

退屈な田舎を離れ都会でレジと恋に落ちて結婚し子供が出来たキャシー。そこまでは希望に満ち溢れた二人だった。

しかし、賃貸住宅は子持ち夫婦の居住を認めず、夫は事故で仕事を失い、収入は途絶え住居も定まらなくなってしまうという。背景には不況や住宅不足もあり。

ほんと他人事ではない話。福祉を充実させようと表向きには対処してるように見えたとしても、末端市民までは見えていない。制度の隙間からこぼれ落ちる人たちには気づいていない。

手を差しのべてくれる人もいるが、それがずっと続くわけではない。

いろいろな所に制度の歪みあり、一度貧困に陥ると抜け出せないスパイラル。
シェルターがあっても偏見と差別の標的になり……
個人の努力ではどうにもならない状況、こういう時こそ政治がしっかり基盤を作らなければいけないのに。

自業自得とは言いきれない。キャシーの怒りもわかりすぎるが、その怒りさえ虚しく響く。

ホームレスになった親と引き離される子供たちの多さを知って愕然。

ケン・ローチだから厳しい現実を見せられるのは分かってたがそれにしてもツラい。

『キャシー・カム・ホーム』に似ている作品

怒りの葡萄

製作国:

上映時間:

129分

ジャンル:

3.8

あらすじ

殺人容疑で逮捕されていたトムが故郷・オクラホマに戻ると、家族は猛烈な砂嵐で畑の収穫ができず、土地を追われた後だった。叔父の家で家族と再会したトムは、一路カリフォルニアを目指す。だがたどり着…

>>続きを読む

ジャズ・シンガー

製作国:

上映時間:

116分

ジャンル:

3.3

あらすじ

ショービジネス界での成功を夢見るユダヤ教先唱助手・ジェスは、マネージャー・モリーの売り込みで順調に仕事を増やしていく。そんななか、妻・リフカから離婚を告げられ、父・カンターから勘当されたジ…

>>続きを読む

逢びき

製作国:

上映時間:

86分

ジャンル:

3.9

あらすじ

夫と2人の子供と幸せな生活を送るローラ。毎週木曜日に町まで買い出しに行き、映画鑑賞や食事をするのが習慣の彼女は、ある木曜日の夕方、目に入った砂を医師のアレックに取り除いてもらう。その後何度…

>>続きを読む