踊り子として放浪生活を続けている少女(ひろみ麻耶)が、敏腕マネージャー(坂本長利)との出会いを契機にして、戦後日本を象徴するアイドルへと成り上がっていく。伝説のストリッパー、ジプシー・ローズの半生を映像化している、日活ロマンポルノ。
「劇場デビュー→絶頂期→アルコール依存」という、栄枯盛衰の流れが刻々と描写されている。ローズはダンサー引退後に急性心不全で夭折しているが、年齢詐称を常習しているため、享年に諸説あり(本作では享年31歳になっている)。
ローズは父親を知らないため、父ほど歳が離れているマネージャーに心惹かれ、愛人関係を築くことになる。そして、彼の喪失をアイデンティティの喪失と重ね合わせ、迫りくるプレッシャーをアルコールの摂取で抑え込むようになる。
ローズ役を熱演するひろみ麻耶は、見た目はそこそこ、演技はフツー、という印象。絶頂期の才色兼備な雰囲気が伝わりづらいけれど、衰退期における草臥れたダンスの再現は特筆に値する。