とうじ

ドラキュラ血の味のとうじのレビュー・感想・評価

ドラキュラ血の味(1970年製作の映画)
3.5
ドラキュラとかフランケンシュタインとか、そういう怪物が固定されているホラー映画というのは、それが量産されていくに連れて、どんどん怪物が記号化されていくのだと思う。
ベラルゴシのドラキュラの約40年後に作られた本作は、もはや怪物にはあまり興味はなく、モブの人々のドラマに焦点を置き、その群像劇の中に火炎瓶を投げ込むような形でドラキュラを投入するというような荒さが見られる。
そして、それが結構面白い。でも、その短所は、登場人物たちがどんどん殺されていき、数が減っていくにつれて、物語の面白さ、ドライブ感が衰えていくことだ。
しかし、やはりジャンル映画としてやるべきことはちゃんと最後までやっており、オチはもうちょっと頭を捻ってもいいような気もするが、寝る前に見るのがちょうどいい娯楽作としては十分すぎるほどの出来である。
あと、やはり記号として使われているに過ぎなくても、ドラキュラのかっこよさは見て損した気分にはならない。
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