Jaya

いつもの見知らぬ男たちのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

いつもの見知らぬ男たち(1958年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

困ったちゃんの5人組が趣向を凝らして質屋へ盗みに入ろうとするコメディ。劇伴が堪らない。映像を邪魔せずにひたすらに情動に響く。

とても不思議な雰囲気。コメディ要素はゲラゲラ笑える訳ではないけれど、ニヤリホッコリとさせられるシーンの数々。

画もキマっていてグッときます。一番印象的なのは屋根の上のシーン。下から照らされる面々が楽しくも美しい。ティベリオの仕草がカッコよすぎ。

あっさりコジモが死んだり、いきなりダンテ出てきてり、変テコな展開が多いのに、不自然さを感じさせながらもそれが温和な雰囲気を作り出す不思議。安心感を覚えるテンポ。

ラストシーンのあっさりさも心に刺さりました。全てが終わった朝、未練もなく散り散りになる面々。ここでも素晴らしい構図に寂寥感を呼び起こされるよう。

端々に楽しい演出が入り混じり、大仰なことは起こらないままにグイグイ惹き込まれ、魅力に絡め取られた傑作でした。
Jaya

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