河

Wasp(原題)の河のレビュー・感想・評価

Wasp(原題)(2003年製作の映画)
3.8
1人で4人の子供を育ててる労働者階級の女性がいて、そこに昔気になっていた男が現れるけど、子供がいることは言えないので、子供を外に待たせながらパブでデートする。その男も車は動かないし両親と暮らしているしで同じく仕事がないことが示される。その環境に介入してきて悪化させるもの、本人達からは刺さずに飛び去るのを祈るしかないものとして、象徴的に蜂が出てくる。4人の子供の中にも年齢によるグラデーションがあって、最年長の子は状況を理解しつつあるように見える。『フロリダプロジェクト』の先駆けのような作品で、パブから漏れ聴こえてくる音で踊る、動かない車でのドライブなど、男がベッカムに見えるようなより小さい子供の視点からは毎日ある映画的な非日常のようなもので、その子供からの視点と映画が一致するラストがめちゃくちゃに良かった。
ケン・ローチ、マイク・リー、リンジー・アンダーソンと合わせてBritish Social Realismの作家として括られるらしい。


MUBIで3本立てみたいな形で上げられてたけど他フィルマークスになかったのでメモ

『Milk』 (1998)
女性がいて、目覚めた後子供を流産したことに気づく。子供が死んだというより子供のいた場所が空白になったように母乳だけは出る。子供の死が現実的でなくその葬式にも出席せず、そのまま出産前に戻ったように行きずりの男と出会ってタバコを吸ってセックスする。出産までをやり直すような過程の後、流産の時と同じように目覚めたら亡くなった子供のいるはずだった場所でその男が母乳を舐めている。それによって、子供を失ったことを受け入れる。

『Dog』(2001)
貧困家庭の10代の女性がいて、自分の選んだ露出の多い服を母親や彼氏に叱られ、他の男からは嫌な目で見られる。彼氏とのセックス中に捨て犬が現れて彼氏の大麻を舐めて、さらにそれを見た彼女が笑い出す。自分が優位みたいな振る舞いをしてた彼氏はそれで勝手に完全にプライドを汚されたような気持ちになって犬を蹴り殺す。その後、母に金を盗んだことで暴力を振るわれる。その時に、抵抗なくゴミのように扱われて殺された犬が乗り移ったかのように吠えて抵抗する。貧困層、子供、女性である自分をゴミのように扱うものへの反抗のような短編
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