かめしゃん

欲しがる女のかめしゃんのレビュー・感想・評価

欲しがる女(2016年製作の映画)
5.0
メモ

・逆張りして観るので楽しめた 
・主演俳優がすばらしい

・邦題のセンスがなさ過ぎる 原題は
Faultless︰欠点のない。完全な。完璧な。
仏語原題は「取り返しのつかない」

・体を鍛えたくなった

・主人公はこの協調性の社会では異端と見られてしまうので、この世界の不文律を可視化するために機能している、と逆説的に考えることもできる(製作者がそこまでを意図しているかは分からない)

・実際、この世の中は、椅子取りゲームであり、腐った男は沢山いるし、そのような男性的なるものに支配されている社会であり、そこにうまく迎合できる(利用されることに妥協できる)人間が安定したり職場で地位を得たりしている
・その原理原則が主人公の言動によって捻じ曲げられたり、若しくははっきりと突き付けられる為に、「(この共生社会で)そんなことしていいのか…」と不快に感じてしまうかもしれない しかしそれは実は社会というものに毒されている、という事なのかもしれない
・主人公はその点で完全に個なのである
・一方で、社会の大多数の人が為している見えない暴力や欺瞞(みたいなこと)は、この主人公の場合のようにはっきりと可視化されることはないし問題にもされない(人々はそれが可視化されないように多大な労力を掛けて「協調」しているから、奔放に振る舞う主人公が許せない、不快だ、という心理に繋がってくる)

・主人公は主人公のやり方で(そういうやり方しか出来ないという事はあり得る)、必死になってサバイブしているだけだと見ることも出来る
・主人公は、他責思考が強く、自省や自己嫌悪などの内面的葛藤も殆ど描かれていない(この主人公の場合、元々無いのかもしれないし、眠っているのかもしれないし、酷いダメージでそのように成長せざるを得なかったかもしれない)
・民事、刑事ともに法律の壁を越えてしまっているので、いずれは罰せられる事態になってしまうだろうとは思う しかし、主人公の完全なる自己肯定力の世界観には、純粋に魅せられるものがあり、個人的には何故か励まされたような感じがある
かめしゃん

かめしゃん