うにたべたい

クローバーフィールド・パラドックスのうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.8
クローバーフィールドシリーズ3作目。
近未来、エネルギーの枯渇問題を解決する実験を行うため宇宙ステーションに集められた科学者たちが主役。
そこで行われている量子加速装置による実験は、現在を粉砕し次元を歪め混沌を引き起こすと批判されているものでした。
そのステーションでの実験が成功したかに見えた次の瞬間、加速装置は停止し、強い重力異常を引き起こして火災が発生、その事故から何とか持ち直したステーションは、さっきまで交信していたはずの地球が消えて無くなっていることに気づく。
混乱状態のクルーに、それから様々な不可解な事象が発生する。

2作目の密室サスペンスとはまた全く経路の違う、宇宙を舞台としたSFホラー作品です。
制作費がかさみすぎたため劇場公開を断念し、NETFLIX限定配信とした経緯がある作品で、過去の低予算作品とは違い凝ったSFXがふんだんに使われています。
過去のクローバーフィールドとは関係しているんだか関係していないだかよく分からない内容となっているため、本作のみでも全然楽しめます。
楽しめますが、前作を見てようがいまいが、何が何だかよく分からない作品という感想になると思います。
SFホラーとしては、不可思議な事象に翻弄される科学者たち、クローズドな環境でうまれる疑心暗鬼、そして残酷に死んでいく仲間たちの描写にハラハラできるため、退屈することなく楽しむことができました。
グロい描写もほぼ無かったのも良かったです。
良作だったのかなと思います。

ただ、1作目のクローバーフィールドを期待してみると肩透かしをくらいます。
2作目もですが、そもそもなぜタイトルにクローバーフィールドとついているのかが分からない。
2作目も本作も、クローバーフィールドじゃなくても良いと思うほど、1作目からかけ離れた内容になっています。
クローバーフィールドが見たくて視聴を始めたのに、POV形式の怪獣映画とはまるで違った宇宙ステーションを舞台にしたSFホラー、2作目はサイコな親父に閉じ込められた密室サスペンスで、両作品とも、求めていたものとは違うものでした。
また、2作目もですが、作品中で起きていることを説明しきれていなくて、謎を残したままバッドエンドで終わるので、見終えてスッキリしませんでした。
本作のできが悪いという訳では無いのですが、1作目が名作でそれを求めて2作目、3作目を見たので、そういう意味ではちょっとガッカリなできだったと思います。
巨大モンスターを求めてクローバーフィールドを見る場合、1作目だけで十分かと思いました。