たてぃ

検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男のたてぃのレビュー・感想・評価

4.0
「顔のないヒトラーたち」とセットで鑑賞したら当作品の良さが増すと思います。というのも、「顔のないヒトラーたち」の主人公である青年検事のよき理解者である上司の検事総長が当作品では主人公で、その青年検事がアウシュビッツ裁判に向けて奔走してる間にその検事総長は別の案件で闘っていたのが描かれていますので。

検事総長のフリッツ・バウアーが追っていた案件は二つ。作品の前半はジャケットに書いてある通り「アイヒマンの居場所と確保」、後半が「現政権の高官にホロコーストに加担していた疑惑」。

この作品はホロコーストの悲惨さがあまり描かれていないので主人公の執念があまり伝わらないのではと思いました。しかし、「顔のないヒトラーたち」を先に鑑賞したら「そりゃホロコーストに加担した奴らを野放しにしちゃダメでしょ」になるかと…

戦後15年経ってもナチスの信奉者が沢山いて、脅迫電話や手紙が届いてもそれに屈せずに捜査を続けた当時の検察には感服するばかりです。
たてぃ

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