なおきち

劇場版 あしたのジョー2のなおきちのレビュー・感想・評価

劇場版 あしたのジョー2(1981年製作の映画)
3.0
ホセ・メンドーサと矢吹丈の世紀の一戦を「アニメ化」した映画。そんな思いすらした。

力石と健闘を讃えあったリング上から始まる。そのすれ違った手はあまりにも有名。
一年リングから離れたジョーは「ただ、またリングに戻りたい」その言葉でジムに舞い戻った。
放っておかれたままの河川敷と川向こうの工場。人がいるのはいつも河川敷だ。
カーロスと拳を交え、素晴らしい試合をしたのも束の間、「king of kings」ホセがカーロスを1R1分33秒で沈める。カーロスは重度のパンチドランカーとなり、日常生活も送れなくなってしまった。
ホセとのハワイでの邂逅を経て、自らもパンチドランカーと診断されながらリングに上がるジョー。「炎よりも赤く燃え上がっている」であろう姿がそこにあった。
8Rからホセがジョーに感じ始めた「自分と違う人間。死んでも誰も悲しまない人間」という恐怖は、ラウンドを重ねるにつれ、深くなる。
「ジョーという亡霊」との15Rを終え、ホセは歯抜けで白髪の老人のような姿だった。判定勝ちした男とは思えない、まるで別人。一方のジョーは、燃えかすなんてない「あの」真っ白になっていた。

空の絵がめちゃくちゃキレイ。
なおきち

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