黄金綺羅タイガー

名探偵コナン から紅の恋歌の黄金綺羅タイガーのレビュー・感想・評価

3.1
新作映画公開記念かなにかか、ネトフリに大量の名探偵コナンの映画がアップされていたのでまだ観たことのなかった本作を観てみた。

『迷宮の十字路』好きとしては、平次と和葉というだけでもうハズレではない。
新一×蘭だともう20年観させられてきたやり取りと、劇場版だと3割り増しキザな新一と、3割り増し重め(なんならメンヘラ入っている)蘭にウヘァとなるが、平次と和葉だとそうならない。
新一×蘭の関係がどこかめぞん一刻的哀愁を帯びている一方で、平次×和葉にはうる星的ポップさといじらしさがある。
(でも、新一と蘭にも、平次と和葉にも幸せになってほしいと本気で願っている)

それに舞台が関西というところがやはりいい。
しかも秋の京都なんて…
それはそれはベタだけれど物心ついたときから、火サスと山村美紗サスペンスに育てられてきた世代からすると、2時間ドラマでサスペンスで関西なんて、ごはんに梅干し、ビールと枝豆くらいの定番、安定、脊髄反射で美味しい! と言ってしまうくらいの取り合わせだ。

たしかに和葉が短期間でメキメキかるたが強くなる謎、都合よく手近にいる過去のクイーン、などなどご都合展開はモリモリだが、コナンだからそれでいい。
劇場版での建造物爆破ももはや伝統芸能だからそれでいい。
その形を変えた定番と、パターンがすこしだけ違ういつもの設定にそうそうこれこれ! となるのが名探偵コナンの劇場版を観るための様式美であるから、それでいい。
そしてその様式のなかで手を変え品を変えてエンタメやって、通常回では出来ないすごいパースのアニメーション観せてくれるんだから、それでいい。

ところで平次が和葉に伝えなくちゃいけないことって、なんなんでしょうね?(すっとぼけ)