ナイトアウェイク

月夜の願い/新難兄難弟のナイトアウェイクのレビュー・感想・評価

月夜の願い/新難兄難弟(1993年製作の映画)
3.8
好き。
オープニングから流れる音楽がすごくいい。
個人的に、過去に鑑賞して来た音楽の中でも際立つ程良かった。大好きな映画音楽は沢山あるけど、そんな中の一曲。

すごく心が惹かれた。


ネタバレ。
基本は、私自身への記録。
間違えて読む人は気を付けて。
読まなくていい、自分宛てだから。














この作品が内包する大切なメッセージを、まさに楽曲に込めたような印象を感じた。
本当に、すごくステキな音楽(私には)。

なのにナレーションがぶっ壊れてて、映像と音楽のムードが台無しになってる。すごいヘンテコでびっくり。わざと?

劇中での歌唱シーン、英語発音が壊れてる。日本人が英語を読めないから、カタカナ英語を頑張って発音してる感じ。わざと?

でも、雰囲気や画、踊りや町並みはとてもいい。
主人公のプレイボーイ気質には、初めは嫌悪感があった。
医者になってたら、もっと違ったという発言とか。勝手な憶測ながら、多分、人の為に医者になるのではなく、性格的に、目先の利益とかそっちのクソ人間にしかならなかったと思う。

でも、主人公の現状にしっかりとした自覚と理由があって、更に自分から踏み込んでいく姿には好感が芽生えた。ラストの家族3人の場面や、セリフでの伏線に泣いてしまった。

周りの人達もすごくいい人物設計。
周りのお陰で、主人公に変化が起こるのは定石。でも、未来を知ってるからこその、正論には間違いはない。利己的に見えても、ちゃんと周りに還元できる意見を持ってるのが嬉しい。

安っぽいギャグが笑えるし、変装はぶっ飛んでるし、面白い映画だった。大作映画ではないけどこれぞ中国という、らしさがあって規模もちょーど良かった。

自分はあっちに行って、あっちの人がこっちに来るというところも良かった。自分が特別なのではなく、誰にでも起こせる事。
心地良い夢を感じさせてくれた。

数撃ちゃ当たる的に、クソ面白くないゴミみたいなモンスターパニックやっちゃったり、スター俳優を使ってプロパガンダをまき散らすより、低予算でもこういうドラマ映画も作ってほしい。

もちろん、ゴミ映画もあっていい、ドラマ映画が際立ってくれるから。
だけど、全編シリアスに作るのはどうだろ?
半分バカっぽい作りだからこそ、気軽に鑑賞しながらも、込められた大切なものを掴めたように思う。

エンターテイメントでは南朝鮮ばかり話題に上がるけど、中国は南朝鮮よりも上質なものを容易く作れる。日本ではまだまだ足元にも及ばない技術もある。純粋に素晴らしい中国映画を、これからも期待したい。

いい映画に出会えた。
私には傑作映画。

記録。