時系列がくるくる変わるので最初とまどったが、時空を越える話としては矛盾点も感じられず、かなり良くできていると思った。時代時代の空気感もよく表していて、懐かしい感じがした。実は、西田敏行さん演じるナミヤ雑貨店の店主が主人公なのだろう。相談者の幸せを願う、心温かい雑貨店主に西田さんはぴったり。私も相談してみたい。若者三人を救ったのが雑貨店主というのもいいな。魚屋ミュージシャンの話も心打たれた。門脇麦ちゃんの歌は特段上手いという訳ではないが、グッと胸に迫った。山下達郎さんが歌うこの歌がエンドロールの時に流れてきて余韻を残す。新しい道を歩く三人の姿に明るい未来を見た。雑貨店主の思いは、その死後もずっと消えずに続いていくのだろう。心がじんわりする作品だった。
