キング牧師やマルコムX、シドニー・ポワチエと言った俳優の話を描きながら、アメリカの黒人の問題について、白人達自身の問題であり、白人に如何に直視させるか。その事に注力した、優れた作家であるボールドヴィンを描いている。
これを知って、何かを知った気になってはいけない、口先だけの同調者ではいけない。だからこそ、我々にとっては語りにくい話でもある。彼らの怒りを多少なりとも知った上で、安易な批判や、同調を語る人を信じてはならない、と強く感じた。
ラストに流れるケンドリック・ラマーの歌詞の訳もついててよかった。曲はめちゃカッコいいが、そこに込められた想いの重量を感じて、打ちのめされる。
