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散歩する侵略者のOMUのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.3
冷め切っていた夫婦に突然降って沸いた夫の記憶喪失。同時に近い地域のどこかで、何かが人間の体を乗っ取って、一つの目的のために人々の概念を知ろうと歩き始める。彼らの目的は達成されるのか?関わった人間たちはどんな選択をしていくのか?的な話。


コロナ禍の関係で、YouTube配信していた同じ脚本の方の別タイトル演劇を観て、面白かったので気になっていたこちらも観てみました。

面白かったけど、
色々な細かいことが気になって、話に入っていけなくなったりすることも多々あり。そしてその原因が、元々演劇用の脚本だからなんだろうな、という感じがしました。

演劇は距離感とか、ものことのリアリティ描写を簡易化することで、ある程度見る側の想像力に委ねる部分があるがゆえに、とっぴな話と相性が良い気がします。話の抽象化がしやすい、というか。全てをすっ飛ばして、一つのテーマや演出家、脚本家の意図に焦点を当てやすい。

一方で映画は全てを克明に映すことができる分、現実との乖離や話の飛躍が悪目立ちしてしまって、うまいこと話に乗り切れないという、なんか技術の敗北ではないですが、それぞれの媒体に得手不得手なものがあるんだな、と思いました。

でも役者陣がみんな素晴らしく格好良く、とくに松田龍平は改めてカッコいい俳優だなと。

端々に感じるおそらく狙ったであろうなんとも言えないチープさも、滑稽で面白かったです。(内容と合ってるかはちょっとわからないですが…)

演劇の舞台だったらめちゃくちゃ面白かったろうことも想像がつくので、舞台観たくなりました。いつか再演とかしてくれたら、嬉しいなと思う次第です。
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