心が動くという意味の感動というならたぶん今まで見た中で一番感動した。見ていて凄く疲れるし苦しいし、もう一生見たくないけど最高の映画だと思う。人間の極限の姿と、底力。
ドン底につぐドン底。ここがついにドン底かと思えばまだ下がある。ここで完璧に正気を失うんだって諭されるとことか恐怖。
何度も希望を抱いた人間が、何度もそれを踏みにじられどんどん状況が悪くなってくる、次第に希望すらいだけなくなる。希望を打ち消される恐怖から逃れるため。そうやって人間って人間じゃなくなっていくんだね。
最後のスキップだけじゃハッピーエンド呼べないくらい、途中が闇すぎる。
けれど、あのスキップのために彼の過ごした長い時間。天にまで届くような重い重いスキップ。
本当にあった話だけど、本人がそれでトルコ自体に嫌悪感持ちすぎて映画が誇張されてるとも言われている。映画の中でも「i hate your nation i hate your 〜」だっけ？とにかくそれを体験者は言いたかったんだろうね。映画のメッセージ性というのは大抵、大衆に「これは、こうあるべきだ」とかそういったようなことだけど、このメッセージは只の彼の叫び。自分のための。
0%の可能性を0.0001%の可能性までこじ開けたんだ。そしてその0.0001%を極限の状態の中でも勝ち取った。最後の最後でカードが揃った。運とタイミングと自分を信じる力。とにかく自分も頑張らなきゃと思った映画。
死ぬその時の瞬間まで人生分からない。
