MountainDewMan

ミッドナイト・エクスプレスのMountainDewManのレビュー・感想・評価

3.4
今作の主人公ビリー・ヘイズは『ショーシャンクの空に』のアンディ・デュフレーンとは違い、実際に罪を犯して捕まっている。だから最初のうちは、刑務所内で酷いことをされても自業自得だろって感じで、同情できなかった。
ところが、刑務所内にはビリーよりたちの悪い奴らがいっぱいいて、罪を犯したことなんて忘れるくらいビリーがまともに思えてくる。
そうなると、結局ビリーに感情移入してしまって、彼が国に帰れるように心の中で応援してしまう。

しかし、途中何度も刑務所から抜け出せるかもしれないという希望をちらつかせては、ことごとくそれが打ち破られるので、こちらまで気分が滅入ってしまう。
『ショーシャンクの空に』では看守とホモたち以外は皆いい人たちだったり、アンディは所長に信頼されたりと、なにかと刑務所内での生活に救いがあったが、今作にはそれがほとんど無いのも観ていて気分が重くなる要因。

上記からわかるように、振り返ってみると重ぐるしい印象ばかり。
ラストは、今までの重ぐるしい雰囲気が吹っ飛ぶほどのスカッとするハッピーエンドになるか、はたまた観客を絶望のどん底に突き落とすようなバッドエンドになるかは、ネタバレになるので書けないけど、とりあえず観てよかったってなる作品ではあると思う。

ちなみに、「ミッドナイト・エクスプレス(深夜特急)」とは「脱獄」を意味する隠語。
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