前髪メガネ

クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリの前髪メガネのレビュー・感想・評価

3.4
シリリの親が毒親で観ていて辛かった。
今作では野原一家の絆というよりかはシリリのロードムービー。

たまに来るゲストキャラクターの成長や心の変化を扱うパターンで、厳しい父親に認めて貰うようにある意味絞られた視野で地球に来たシリリが野原一家と行動を共にすることで知らなかった家族の形や親の姿を見て自分の気持ちに向き合うそんな内容。
故郷の星で他のみんなが出来ることが出来ずに父親の期待に応えられられない自分がコンプレックスとなり自分より下を見つけて自分を保とうとする姿とか今時(2017年)の子供向け映画も侮れない。
学校や幼稚園でどうしても周りと同じ事ができない子、そこに焦りを感じる子はどう感じただろう。逆に「どうして出来ないの?」と子供を責めてしまう親はどう感じただろう。

シリリの父親もシリリを嫌ってはいなかったのは救いではあるけど、きっと育児のやり方がわからない父親なのかもしれない。
下等生物の中に送り込んでお遣いを果たして成長させたいという発想が歪んであの形になったのかもしれない。
だけどもシリリの扱いが子供にするそれとは違って我が子を見下す扱いだったのがその歪みの証拠でもあると思う。
対照的に母親との再会ではすぐに抱きしめているのが印象的。
シリリも野原家の一時的家族に加わった事で色眼鏡が無くなりリラックスできた事で星に帰っても家族と向き合う勇気になったかもしれない。


本作で劇場版25周年を迎えたという事で物語の中にチラホラと過去の作品のキャラクターやアイテムなどが映り込んでてそこに気付けたのもちょっと嬉しくなった。
前髪メガネ

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