QTaka

天使のいる図書館のQTakaのレビュー・感想・評価

天使のいる図書館(2017年製作の映画)
3.6
若さと老い、そして別れ。
一見相いれない二人と、逃れられない時の流れ。
そして、時を超えた恋の輝き。
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偏屈な少女の物語が、グッと来るエンディングへ。
なんだか掴み所が分からないまま進む物語。
だって、この娘、凄いキャラクターだからね。
ルックスとキャラの突出が一致するまでにちょっとかかる。
この超絶面倒くさいキャラを演じた小芝風花さんの頑張りはなかなかのものだと思う。
若いヒロインに対するもう一人のヒロインは香川京子さん。
香川さんといえば『まあだだよ』(黒澤明監督)を思い出すのだが、その美しさ以上にかわいらしさがステキな女優さんだ。
歳を経てもなお”かわいらしい”というのは、他に替えがたい魅力だと思う。
その香川京子さんが、ステキな恋の物語を魅せてくれた。
若い女優さんが主演ではあるのだが、恋の魅力を見せるのなら、こんなステキなベテラン女優になかなかかなうものでは無い。
老いと恋を物語のバックグラウンドに据えて、明るい図書館で精いっぱい活躍する女性の若さが光るのだから、見ていて気持ちの良い映画になる。
若さに恋物語は付き物だが、キラキラ映画では無いところがイイ。
そこには、少し重くて、避けられない現実の問題をからめている。
必ず訪れる永遠の別れを前に、生きてきた事の証を確認する。
なんともステキなストーリーだ。
物語は、徐々にそこへ近づきながら、若いヒロインの魅力がキラキラ光る。
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それにしても、でっかいメガネだったな。
後半で出てくる、自宅の神社を手伝うシーンの巫女姿が、超絶カワイイ。
キャラクター設定がぴったりは待ったのかもしれないね。
ということで、イイ映画でした。
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