なすび

カフェ・ノワールのなすびのレビュー・感想・評価

カフェ・ノワール(2009年製作の映画)
4.0
さてこの怪作、どこからどう書けばよいのやら…とりあえず見たい人はこちらでどうぞ

ゲーテの「若きウェルテルの悩み」とドストエフスキーの「白夜」の2つを原作とした3時間超え韓国ムービー…オウフっ…監督は批評家として有名な人らしい、まるでトリュフォーやゴダール、ロメールのようですね、それにしても寡作だしあまり人に知られていないのがもったいない!他にあと3本映画を撮っているみたい(あと3つはドキュメンタリーらしい)なんだけどfilmarksに載ってるやつは間違ってます、たぶん同姓同名の別人

何と言ったらいいんだこの映画…もちろん基本はウェルテルと白夜の話わりとそのまんまではあるのだけど(特に「白夜」の方はヴィスコンティの「白夜」そのものだったりする)映画オマージュや文学からの引用もあって、まさにヌーヴェルバーグ的というか「このくらい知ってるよね?」って感じでサラッと出してくるから「オウフっ」って感じでした…少ししか気づけてないんけど
・アルベールラモリス「赤い風船」(あのまん丸の風船が何度も出てくる)
・D-WARS(2007)韓国映画
・パクチャヌク「オールドボーイ」金槌
・ホン・サンス「映画館の恋」(キムサンギョンが同じようなダウンを着て同じような路地にいるし、ホン・サンスズームが使われている!)
・ポンジュノ「グエムル」まさかのお兄ちゃん役の人がその世界を受け継いだまま出てくる「俺が妹を救えなかった…」って
・ゴダール「はなればなれに」カフェでのダンスシーン、みんな真似するねこれ…

あとはエンドロールに載ってた引用、ブレヒト、チェーホフ、ジャックラカンなど
そしてドストエフスキーの「悪霊」のキリーロフの言葉の引用「もし神があるとすれば、全ての意志は神のもので、僕はその意志から脱け出せない。もしないとすれば全ての意志はぼくのもので、ぼくは我意を主張する義務がある」

気になったことは、神の存在(さすがキリスト教徒が多い韓国)と男性から女性への日常的な家庭内暴力(韓国ではまだ男尊女卑が激しい)

すきなシーンは主人公が2度目にふられてベンチでひとり牛乳みたいな白いものを吐いてるとこと、水族館の水槽の中から人魚が手話で話しかけてくるシーンと、漢江沿いの露店のおばさんの周りにめちゃくちゃ集まってくる鳩たちです
あとまさかのところで出るタイトルばーん!かっこよかったし、白昼夢だなぁ

チョンユミがしゃべりすぎて独白長すぎてさすがにちゅかれた、、、


何だかんだ書いたけどおもしろいから見てね!!!!!記憶に残る名場面が多くて変な映画だけど見てよかったなって思います!!!てかみんなの意見がききたい、おぬぬめ。

so ma hang
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