ふぃるま

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?のふぃるまのレビュー・感想・評価

3.5
原作というかオリジナルとは違う映画になっている。
なのに原作を忠実になぞる部分もあり、妙な違和感があった。

この物語は夏休みの登校日という絶妙な背景設定の勝利であり、中学生(原作は小学生)というこれまた微妙な年頃の不安定な気持ちを描こうとしている。

こういった仕掛けは同年代の若者よりも、年齢を重ねた人達に、より切なく響くのではあるまいか。

映画の後半は、幻想的な背景の中で「もしも」という切ない世界をみせてくれる。
その場面は無力な若者の些細な抵抗を描いているようで、美しく魅力的だ。

この映画には、この映画を支える重要な三つの歌がある。
主題歌の「打ち上げ花火」、劇中で登場人物が歌う「瑠璃色の地球」、そしてオリジナルでも流れた「Forever Friends」だ。
どの曲もこの映画に綺麗にハマっている。

「Forever Friends」、この曲が流れると私は無条件に切なさを感じてしまう。
もしもあのときああしていたら、という儚い希望ときれいに調和していると思うからだ。
ふぃるま

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