映画大好きそーやさん

肛門的重苦の映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

肛門的重苦(2013年製作の映画)
2.7
屈折した監督の思いが爆発に爆発した、3分間の低俗な悪夢。(褒め言葉)
恋人に振られた時に見た夢をアニメーションに仕上げたそうですが、もう流石としか言いようがない気持ち悪さで最高でしたね!
これまで観てきた作品群はイメージが先行して、見どころが映像止まりになっている印象がありました。
本作もドラッキーな映像を3分間堪能することができつつも、ストーリーラインが生まれていることで、冠木佐和子の作家性がど直球に反映された、奇怪なアニメーションに意味をもたせられており、最低でもその点だけは高く評価していいものになっていたと思います。(今までの作品が意味のないアニメーションの連続だったという訳ではなく、描写の意味という評価点において、鑑賞する際のフックとしてよく機能する、目立つようになったという意味です)
モンタージュのように次々と差し込まれる映像、過去のフラッシュバックが現実の失恋、悲恋とリンクし、ラストカットからは哀愁すらも感じることができる、終盤の怒涛の畳み掛けシークエンスは思わず声を上げてしまいそうになりました。
『おかあさんにないしょ』だけを観て、冠木佐和子を知った気になっている人こそ、ぜひ観てみてほしい1本ですね!(内容は癖強めで変わらないので、そちらに変化を求めて観ることだけは止めておくのが吉です)